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U12・U15指導者講習会 新潟医療福祉大・佐藤総監督が「投げる」を指導

U-12・U-15指導者講習会
(1月14日・松本市浅間温泉文化センター)

県野球協会指導者委員会が、主に小中学生世代の指導者を対象に初めて講習会を開いた。元新潟明訓高監督で、新潟医療福祉大総監督の佐藤和也さんが「ジュニアのための指導法」をテーマに講演。学童や中学軟式、硬式、高校の指導者約100人が聴講した。

↓ 参加者が熱心に聴講した講習会

体の構造に即した野球技術の指導法を研究する佐藤さん。佐藤さんは子どもと大人では骨の数が異なるなど成長に応じて指導しないと故障すると警告。指導者は選手が「センスがある、ない」と判断しがちとし、佐藤さんは「センス(洗練された動き)をつけてあげるのが指導者。センスのあるなしに逃げない」と指摘した。

佐藤さんは、今の子どもたちが遊びの中で「投げる」動きがないことから、「どうやって投げるかを教えないと駄目」とし、指導現場にありがちな「肩より肘を上げて投げろ」といった間違った指導を戒めた。

また、腕や肩甲骨の構造から、「回内」の動きや肩甲骨が一番力を伝えやすい角度、さらにそれを支える骨盤の役割を解説。子どもたちが理想的な投げる動作を習得するための練習として「紙鉄砲」の遊びを紹介した。

そして「ボールを投げたいと思わず、『ボールの方が投げられる』感覚で、筋力に頼るより正しいフォームの方が大事」と説いた。

↓ 投げる動きを紹介しながら熱のこもった講演をする佐藤さん

投球の際に足を上げようとすると、どうしても軸が後ろにそったり、不要な箇所に力が入ったりするため、「軸足で踏み込んで足を引きつけて上げる」とアドバイス。その際も股関節の役割は重要で、「野球の動きをする前に、アップで使い方をうまくしていく。技術の正体はタイミング。タイミングはバランスとリズムで出来ているので、リズムトレーニングは有効」と、動画でトレーニングを紹介した。

佐藤さんは近年、一般的に厳しい指導が難しい風潮を理解しつつ、一方で「『レジリエンス』(回復力、弾力など)が見直されている。野球を通じてへこたれない、生き抜く力をつけることは大切。自分の限界を破るためにも厳しい練習は絶対に大事」と、指導者に訴えた。

<さとう かずや>
新潟明訓高で29年間監督を務め、春夏8回甲子園に出場し7勝。2010年夏の甲子園8強。13年から新潟医療福祉大監督に就任し3年で関甲新1部リーグに昇格。20年に総監督に就任。この間、笠原祥太郎(元中日ほか)、漆原大晟(阪神)、桐敷拓馬(阪神)、佐藤琢磨(ソフトバンク)の4投手をNPBに輩出。

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