【コラム】甲子園で快投 佐久市出身の鶴岡東エース桜井椿稀
全国高校野球選手権に出場した鶴岡東(山形県)でエースを務めた、佐久市出身の桜井椿稀が、強烈なインパクトを残す快投を演じた。ナインズが桜井を鮮明に記録するきっかけになったのは、彼が小学5年生のときに放った一発だ。
桜井はこの夏の甲子園で、1回戦(11日)では強豪聖光学院(福島)に1失点完投勝ち。4番に座り、全2打点を自ら稼いで勝利に導いた。
2回戦(15日)では、伝統校の早稲田実(西東京)を相手に9回を無失点。しかし互いに0-0のまま延長10回タイブレークにもつれ込み、惜しくもサヨナラ負けしている。
2017年11月、各地区の予選を勝ち抜いた14チームによるイオン信州地区同友店会学童決勝大会(中野市)で、当時桜井が所属していた佐久市のスポーツ少年団「平賀イーグルス」も出場し、同地区の強豪浅間スポ少との決勝に進出した。桜井は、左投げながら3番捕手で出場。左投げの捕手というだけでも目立った桜井は4回、右翼越えの痛烈なソロ本塁打を放ち、1-12の完敗にも一矢報いた。
↓ 左ききの捕手で奮闘する平賀時代の桜井
「体は小さいが、パンチ力のあるいいバッターだな」と思い、監督に聞くとまだ小学5年生だという。とてつもないセンスを感じた。
↓ ソロを放ちダイヤモンドを一周する桜井。5年生だけに小さいわけだ
※nines第40号に掲載。
次に彼を取材したのは、桜井が中学3年(中込中)になり佐久シニアのエースで主将として臨んだ、日本選手権出場の懸かった信越夏季大会準決勝(新潟)だった。3番投手で先発した桜井は、新潟西を完封し3-0で勝利。15年ぶりの日本選手権出場を決めると、決勝も勝って30年ぶりの優勝も飾っている。何か持っていると感じさせた。
↓ まだ細かった中3の桜井。剛腕というより、切れのあるストレートと鋭いカーブが印象的だった
※nines第57号に掲載。
175㌢、78㌔の堂々の体になった桜井は、130㌔中盤の真っすぐと鋭いスライダー、それらを生かす抜群の制球力、さらに自らけん引する強い気持ちと、格段に成長した姿を聖地で見せてくれた。高校野球は一区切りとなったが、また次のステージでも驚かせる活躍を期待したい。