nines WEB

【高校】高3生の北海道キャンプ 参加の松川高・寺沢君がリポート

甲子園に出場できなかった高校3年生を対象に、8月中旬に北海道で初めて行われた「LIGAサマーキャンプ」に、長野県内から松川高前主将の寺沢遼翔君が唯一参加した。全国から集まった同学年選手と試合をしたり、元NPB選手から指導を受けたりしたキャンプでの発見、収穫を聞いた。

↓ エスコンフィールでの試合に出場した松川高の寺沢君

長野県内で数チームが参戦する「信州リーグ」などリーグ戦形式の大会を全国で仕掛ける、「一般社団法人Japan Baseball Innovation」が主催し、8月7日~18日に北海道栗山町を拠点に開いた。対象は夏の甲子園出場を逃した高3年生。部活動は引退したが、新たな成長の場を求めて全国から52人が参加した。

参加者は4チームに分かれ、2回戦総当たりのリーグ戦と決勝トーナメントで試合を重ねた。17日は、日本ハムのホームスタジアム、エスコンフィールHOKKAIDOが会場になった。

↓ 参加者が4チームに分かれて試合を重ねた。栗山さんも出席

↓ 最終日はエスコンフィードで試合を開催(写真は主催者SNSより)

このほか、元オリックス大引啓次さんと元ロッテ荻野忠寛さんが技術指導。オープニングセレモニーには慶応高の森林貴彦監督が出席したり、侍ジャパン元監督栗山英樹さんとの交流もあったりした。宿泊は廃校をリノベーションした施設などで共同生活し、酪農体験もした。

―なぜ参加したか
寺沢君 今までやってきた野球とは違うやり方だったり考え方を学んだり、違う視野も持てるような野球人になりたく参加を決意しました。

―参加してどうだったか
寺沢君 最初は今までやってきた環境と全く違うレベルでついていくことで精一杯でした。しかし、新たに出会えた仲間たちといろいろな話をしたり、試合も多くのイニングに出場させていただいたりして、やっていく中で毎日が楽しく、成長できたと感じます。プロ注目の選手たちも参加しており、今後の自分自身のモチベーションにもつながり、彼らに負けない選手になりたいと感じました。

―全国からの参加者とどんなレベルの差を感じたか
寺沢君 ボールのスピードや技術面が格段に違っていました。体つきもすごく、「大きさ」を感じました。140㌔を超える投手が何人もいましたが、スピードだけでなく、見たことのないボールの切れがあり、最初は捕球するだけでも必死でした。変化球もいろいろな球種を体感できました。同じ捕手の参加者でも、ただ配球を考えているだけでなく、バッターの素振りや反応を見てすぐに分析して配球する捕手が多くて勉強になりました。

―エスコンで本塁打を放った打者もいたそうですが
寺沢君 打球の速さやインパクトの強さなど、自分が目指さなければならないとあらためて感じさせてくれる打者ばかりでした。そして、それぞれが自分をアピールする自己主張がしっかりしていて、最初は戸惑いました。一方でその中で一緒にプレーができ、ワクワクしていました。

―元NPBの荻野さん、大引さんは何を指導したか
寺沢君 「1日のスケジュールを考えることが大切で、その中でもズレることがあるが、睡眠時間と食事の時間はいつもと同じ時間、スケジュール通りすることが大切だ」と、お二人ともおっしゃっていました。それだけ大事なことなんだと感じ、実行できるようにしていきたいと思います。大引さんには試合中にリード面など指導していただき、盗塁を刺したときには「ナイスキャッチャー!」と言っていただきうれしかったです。

―慶応・森林監督、栗山さんからは
寺沢君 森林監督はセレモニーで「一つ一つに意図を持ってやることに意味がある」とおっしゃられ、栗山さんからはサインをしてもらい「頑張って」と声をかけていただきました。

―高校卒業後の進路、夢は
寺沢君 大学へ進学し硬式野球部へ入部したいです。今まで学んできたことや、今回得た経験を生かし、チームに必要な選手となりたいと思います。参加させてくれた両親、家族、このキャンプスタッフ、関わっていただいた方々に感謝したいです。

◇寺沢 遼翔(てらさわ りょうが)
2007年1月、高森町生まれの17歳。南信州高森ベースボールクラブー高森中学校野球部。松川高では1、2年時に内野手、3年時は主将を務め捕手と投手、打順は主に3番。キャンプでは捕手のほか内野手、指名打者で出場し、主に8番を打った。

↓ リーグ戦は捕手で出場

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ