なぜ性は商品化されるのか-毛から世界を見る 26- (松沢呉一) -2,623文字-
「海外から配信しても刑法175条が適用される判決が出ていた!-毛から世界を見る 25」の続きです。
CAM4が見せてくれる性の商品化
CAM4の面白さは、「人はなぜ表現をするのか」「その表現がどう商品化されるのか」という過程を生々しく見られることにもあります。
それを知ると、ここでは「性の商品化批判」なんてものは成立しないことがわかるし、他ジャンルにおける「性の商品化批判」もまた正確にその内容を把握したものではないだろうと推測することができます。
ポルノに対して「性の商品化」なんてことを言って批判する人のほとんどは、「搾取」といったワードと同様、そのことの意味を深く考えないまま、批判になりそうな言葉を持ってきているだけだろうと想像できます。
バカ系フェミ、クソ系フェミがフェミニズムの歴史も知ろうとしないまま、また、海外のフェミニストたちが言っていることを知ろうとしないまま、「フェミニズム」だの「フェミニスト」だのといった言葉を持ち出せばいっぱしの人間になれたかのように錯覚して、道徳主義者の自分をごまかせると思い込んでいるのと同じようなものです。ごまかせねえよ。
※この人は話術で勝負のフランス人です。彼女はネットラジオをやっていて(しかも朝に)、動画はCAM4で流しています。曲を流している時に下着姿で踊ったりはしますが、それ以上は脱ぎません。ラジオのための話題作りってこともあるのでしょうが、こういう使い方もできます。
なぜ金にもならないのに性器を晒すのか
かつてCAM4にはチップ制がなく、月間の視聴者数上位に賞金が出るだけでした。金額は忘れましたけど、たいした金額ではなくて、数百ドル程度だったと思います。
数千という単位の出演者の中で上位になるのは容易ではなく、ほとんどすべての人はそんなものを狙っていなかったはずです。もらえたとしても、期待していなかった余録のようなのものだったでしょう。
当時はZIPコードの検索機能はありませんでしたから、出会い系として使える余地も少ない。一部の人が州名や都市名まで公開していた程度ですから、個人交渉による客探しのツールとしてはほとんど使えない。つまりは目的は金ではありませんでした。
注:いつものようにエロ画像が出ていますので、18歳以上の方のみお進みください。
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