松沢呉一のビバノン・ライフ

コロンビアではロックダウンで携帯電話の盗難が減って強盗が増加—ポストコロナのプロテスト[39]-(松沢呉一)

麻薬組織と武装革命組織に対抗するためにできることは除草剤散布とコカインの合法化くらいか—ポストコロナのプロテスト[38]」の続きです。

 

 

ラテンアメリカではなんでも盗まれる

 

vivanon_sentenceロックダウンによって犯罪が激減し、ロックダウン解除とともに増加と一般には言われているのですが、ラテンアメリカではちょっと違うみたい。前回見たように、麻薬組織の活動が活発になっているだけでなく、ロックダウン中に犯罪全体が増加。

ラテンアメリカで多い犯罪は携帯電話のひったくりです。母親がペルー人で、今も親戚が多数ペルーにいる中川えりなもペルーに行った時に、携帯電話を外で使ってはいけないと親戚に強く注意されています。車の中でさえ窓から手を突っ込まれて携帯を持って行かれる。携帯を携帯できない国。携帯をたまにしか持ち歩かない私向きの国です。

観光客必携のカメラもやられます。写真を撮るなら室内で。

私はリュックをあけっぱなしにしていて、よく知らない人に「あいてますよ」と注意されるのですが、ラテンアメリカでは間違いなく盗まれます。銭湯に行く道具と本くらいしか入ってないですけど。

ラテンアメリカに行く時はチャックを閉めなきゃと心に誓っているわけですが、ラテンアメリカはそんな甘くなくて、真っ昼間でもバッグごとひったくられるため、それも中川えりなは注意されて、レジ袋にバッグを入れてカモフラージュしていたとのこと。パンデミックのために食糧不足が始まっている国もあるので、スーパーで買物としてきた袋でも狙われかねないですが。

2013年の映像ですが、真っ昼間に、人のいるところでもやられるんですね。

 

 

 

 

コント的展開。バッグも気をつけなければいけませんが、バスにも気をつけたいものです。犯人は怪我をして入院して逮捕されたとのこと。

 

 

携帯電話のひったくりから携帯電話強盗に

 

vivanon_sentenceでも、ペルーは10万人当たりの年間の殺人件数は7人で、日本の20倍ちょっとですから、たいしたことはない。コロンビアは25人で、日本の80倍くらい。ペルーの3倍以上危険。メキシコはもっと危険ですが。

殺人と窃盗はきれいに比例するわけではなくて、ざっくり言えばラテンアメリカではどこでも携帯泥棒は多くて、盗難保険に入っている人は届け出るとして、どうせ出てこないですから、届出しない人も多いでしょう。とくにiPhoneは高く確実に換金できるため、狙われやすい。ナイジェリアでiPhoneを持っていると詐偽犯と思われて警察に暴行されるしよ。

ところが、ロックダウンのために外に人がいなくなって携帯をかっぱらえない。とくに無防備な観光客がいないので、泥棒商売はあがったり。

携帯電話の盗難は激減し、その代わりに増えたのが強盗です。ロックダウン中に、早くもコロンビアでは強盗が急増しているとの記事が出ています。

7月にはコロンビアの俳優マウリシオ・バスティーダス(Mauricio Bastidas)が車に乗っているところをバイクに乗った強盗に襲われ、抵抗して負傷。この時も結局携帯電話を持っていかれました。車に乗っているところを襲わないと携帯電話をゲットできなくなったわけです。

 

 

 

 

アクション映画にも出ているそうなので、メンツとして、そのまま帰すにはいかなかったのでしょうけど、こういう時は黙って渡した方がいいですね。

 

 

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