古塔つみは自身の才能を正確に自覚してイラストを描いていればよかったのに—パクリのおかげで知ったギタリストGyoshi(ギョシ)が新しい学校のリーダーズとつながる面白さ-(松沢呉一)
「とめどもないもの—古塔つみのパクリとフリーダム・コンボイの拡大」に続いて、前振りとして古塔つみについて書いていたのですが、長くなったので独立させました。
ロッキング・オンが古塔つみのTシャツの販売を停止し、返品にも応じると発表
やっぱり古塔つみは抜きん出たパクラーです。今に至るまで、連日新ネタが出てきますから、この件を知るのが遅くなった私でも、日々新鮮な気持ちでパクリ作品を楽しめます。
昨日はロッキング・オンが古塔つみとのコラボTシャツの販売を一時停止するとともに、返品に応じると発表。
イベントのTシャツについてはこの先売れることはあまりないでしょうから、廃棄処分にしたところで痛くはないとして、それ以外にもTシャツを多数出しているようです。パクリで知られるようになったイラストレーターのTシャツを着るのはカッコ悪くて、着古しても返品してもらえるとなれば返品したがる人はいそうです。つっても全体の1割には達しないでしょうから、どのみちさほどの損害はないか。
企業としては速やかに対処するのがもっともダメージを受けない方法だと思います。
すでに元ネタが特定されたTシャツのイラスト
あくまでこの措置は調査のためであり、当該の作品がパクリか否かについては断定していないわけですが、すでに限りなくグレーの絵柄が見つかってます。
これについてはこちらのブログにまとめられています。
この中に出ているこのTシャツのイラストは傑作。
左の手のひらをギターが貫通しています。500円玉を手に貫通させるマリックさんかと思いました。よくこれをロッキング・オンは商品化したものです。
なんでこんなことになったのかと言うと、古塔つみはデッサンをやったことがないので、手のひらの構造を知らなかったのです(笑)。
元ネタはインスタグラムのこの写真だとされています。
たしかに。しかし、こちらは指の位置が見えていて、不自然さはない。写真だから当たり前。
左右を反転させただけでは物足りないと思ったのか、指の位置をアレンジした結果、貫通マジック作品となりました。古塔つみのクリエイティビティがふんだんに発揮された作品と言えましょう。
ギタリストGyoshi
このGyoshiというミュージシャンを私は知らなかったのですが、著作権者ではなく被写体とは言え、無断でコピーされ、手を加えられて金儲けに利用されたとあってはあんまりいい気持ちはしないでしょう。本人じゃないとわからないですが。
これを契機に自分の存在、自分の作品が少しでも知られるきっかけになってよかったと思えるように、こういう場合、私はできるだけパクられた側のことを知ろうとすることにしています。
(残り 1840文字/全文: 3136文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ