天安門事件から35年—靖国神社に立ち小便した「鉄頭」と転売ヤーを批判する中国人YouTuber-(松沢呉一)
日本人も拘束された
ここ数日、ずっと天安門事件関連の記事や動画をチェックしてました。
北京はもちろん、長らく天安門事件の風化を防いできた香港でも、もはや手も足も出ない状態で、インターネットの書き込みだけで、数名が逮捕された模様です。
また、日本人も拘束されました。
法華経関係か? 言っていることはその通りだし、気持ちはわかるのですが、これをやっていいことはない。すべての抵抗の方法を奪われた香港の人たちが捕まるようなことをやるのはやむを得ない。しかし、日本では合法的な方法がとれますから、中国大使館に抗議するもよし、日本国内で風化しないようにインターネットに書き続けるもよし。
これを日本人が香港に乗り込んでやると、日本で迷惑行為をやる中国人と意味合いは同じ。「日本人も同じことをしている」と返されるネタを提供してしまいました。政府も解放を求めることになって、手間がかかります。
勇気づけられる香港の人たちもいるかもしれないですが、迷惑がる人もいっぱいいそうです。香港のことは香港の人に任せ、外の人は外でやるのが筋だろうと思います。実際、6月4日、東京でも、台北でも、ロンドンでも集会は開かれていて、目立ちたがりのスタンドプレーはいらんでしょ。
国外で闘い続ける民主派
国外に出て闘っている人もいて、李老師の存在は以下の動画で初めて知りました。
李老師のアカウントはこちら。身元はバレていて、家族は中国にいるのに、抵抗を続けているのは天晴れです。帰国したら、即逮捕されましょう。
彼がどこにいるのかわかりませんが、中国政府は把握してましょうから、こういう人たちをサポートすることも大事。直接コンタクトを取らなくても、秘密警察の出先機関を潰すことでもサポートは可能。
ポーちゃんを見直した
日本にいる中国人YouTuberや中国から日本向けに発信しているYouTuberをざっとチェックしたのですが、一人として触れているのはいませんでした。もちろん、全部チェックできたわけではないですし、米国、英国に亡命した人たちは別ですが、日本がらみのYouTuberはたぶん全滅でしょう。六・四の文字さえ出せない国の恐ろしさです。
永住資格を取得していない限り、「二度と中国に帰らない」なんて決断はできず、永住資格を取得していたところで、家族が人質に取られている限り、政府には楯突けない。それを考えると、触れないことを責めるべきではありません。
しかし、靖国神社に落書きした「鉄頭」(ハンドルネーム)を批判した中国人YouTuberはいます。ポーちゃんです。
コロナ対策について、あたかも中国政府に追従するかのようなことを言っていたことにブチ切れて以来、一切観なくなりましたが、見直しました。これからはまた観ようと思います。
理性のない中国政府も「理性的に訴えを表現するように」と「鉄頭」の行動を否定してますから、「共産党の意向に沿っているだけではないか」と思う人もいましょう。公開したのはその後ですが、たぶんこの動画は報道官がその旨を公開する前に撮ってます。また、この動画で注目すべきは、彼が敵に回したのはより危険かもしれない連中であることです。
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