国別不法残留者数を検討する—在広州日本国総領事館による旅行代理店のビザ代行停止問題-(松沢呉一)
在広州日本国総領事館による旅行代理店のビザ代行申請停止と不法滞留の増加
「在広州日本国総領事館による旅行代理店のビザ申請停止と不法滞在・合法移住の両面で増加する中国人」を出した後、以下の動画が公開されてました。
「さっしょう」に聞こえますが、査証(ビザ)ですね。
在広州日本国総領事館による広東省と福建省の11社の旅行代理店のビザ申請停止については、「鉄頭」とは関係なく、観光ビザで入国して行方をくらませ、不法就労する中国人が多いためという見解は完全一致。
不法残留で検挙される中国人は年間5oo人と言っていますが、では、今現在どのくらいの外国人が不法滞在しているのでしょう。
出入国在留管理庁「本邦における不法残留者数について(令和5年1月1日現在)」
いっぱいいますね。総数は70,491人。これは報道資料からで、より詳しい数字はこちら。
中国人は6,782人で、そのうちの7パーセント程度が1年間に検挙されています。ひとたび不法残留を許すと見つけるのは難しい。とくに中国人のように、大きなコミュニティが成立していると、その中に紛れやすい。
1位のベトナム人は中国人の約倍。ベトナム人は、殺人、強盗、集団窃盗などの悪質なものが多いのに対して、韓国、中国は観光客の狼藉が話題になることが多く、とくに中国人は、定住者による密猟や闇畑が問題となってますし、他人のカードを悪用するような犯罪は横行してますが、凶悪犯罪は多くない印象。データまでは調べてないですが、密猟や闇畑で逮捕まで至ることは少ないでしょうから、中国人の犯罪は数字には出にくいだろうと思います。
中国人旅行者のビザ取得は簡単ではないはずなのだが…
不法残留と聞くと、技能実習制度で来日して逃亡したり、在留期間を超えても居座るようなケースが思い浮かびますが、短期滞在から不法残留に移行するケースの方がずっと多い。
短期滞在には業務目的等もありますが、業務目的の人が居座ることはまずなく、不法在留者のほとんどは、観光で入国した人々でしょう。とくに韓国は、10,508人の不法在留者のうち10,017 人が短期滞在で入国しています。同じくタイも9,549人のうち9,069人が短期滞在からです。どちらも9割以上。
対して中国人は6,782人のうち2,543人が短期滞在からの不法残留です。構成が全然違います。ビザ免除の韓国とタイ、ビザが必要な中国との違いです。
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