松沢呉一のビバノン・ライフ

不祥事で自爆していくK-POPアイドルたち—韓国のポップスに浸ってみた(3)-(松沢呉一)

「バーニング・サン事件」とKARAク・ハラの死—韓国のポップスに浸ってみた(2)」の続きです。

 

 

K-POPアイドルにつきまとう対立

 

vivanon_sentenceBIGBANGのあと、BIGBANG以上に人気を得たのがBTSでしたが、前に書いたHYBEミン・ヒジンとの泥沼の内紛は現在も続いてます。先ごろ、ミン・ヒジンはHYBE傘下のプロダクションADORの代表を解任され、ここまで育ててきたNew Jeansに関われなくなるかもしれない。New Jeansはミン・ヒジンを慕っているので、ミン・ヒジンが離れたら、ADORを抜けるのではないかとも言われてますが、契約が残っているので、簡単ではないでしょう。

また、先月、BTSのメンバーであるSUGAが、電動スクーターで飲酒運転して書類送検されたこともHYBEを揺るがしています。全員兵役で入隊したと思っていたのですが、彼は自宅からの通勤という方法だったらしい(BTSを理由とした特例ではなく、SUGAは肩を壊しているため。その分、兵役期間が長い)。

この件は実に韓国らしくて、HYBEに対して、SUGA以外のBTSファンが「SUGAはBTSの恥晒し」として、SUGAを放逐することを求めて、事務所の前に大量の葬式用花輪を送り、それに対してSUGAのファンが反発して、罵倒合戦が繰り広げられました。

飲酒運転はよくないですが、事故を起こして逃げたわけでもなく、ビールを飲んで1キロに満たない帰路についていただけの軽微な飲酒運転がそこまで騒ぐことか? 罰金を払って半年くらい活動自粛する程度でいいのにと思っていたのですが、SUGAは9月に入ってすぐにいけしゃあしゃあとサムスン電子の広告に登場。予定されていたものでしょうが、私も「自粛なしかよ」と呆れました。

このように、韓国では、何をやっても、そのうち対立が始まります。

6月にはHYBEの系列会社の元・現社員3名がBTSの活動情報を先につかんで株を売却するインサイダー取引で起訴される小ネタもあって、K-POPと不祥事は切り離せません。

✴︎2024年8月13日付「BBC

 

 

K-POPアイドルにつきまとうイジメ

 

vivanon_sentenceK-POP内部でもこれが繰り返されていて、メンバー内の対立やイジメはよく表面化し、それが原因と思われる脱退や解散も頻繁に起きています。ファンの思い過ごしではなく、イジメられた当事者が告発し、イジメた側がその事実を認め、謝罪するに至ったケースもあります。

東方神起の分裂も仲間割れでしたし、メンバーがそれぞれ活動を続けても、ファンはもう幻想を持てないですから、そのまま忘れられたように見えます。

表面化するだけでも枚挙に遑がないのですから、実際にはその何倍も起きてましょう。日本のアイドル・グループでもあるでしょうが、他人を蹴落として自分だけが勝利するのが美徳とされる韓国では、イジメも対立も避けられない。中でも、激烈な競争を勝ち抜いてきたアイドルですから、競争心が強く、メンタルが図太いのが残っていましょう。。

そういうタイプ揃いですから、事務所とタレントの対立もよくあって、アイドルによるマネージャーやスタイリストへのパワハラが問題になったりもしています。その結果、同時に複数のメンバーが解雇されたり、自ら脱退する例が後を断ちません。

自ら脱退するのが多いのは、いざアイドルになってみたら、端金で馬車馬のように働かされ、時には枕営業を強いられる。育成費という名目でレッスン費や衣装代が借金となり、売れてからでも返済分が抜かれ、いつまでも楽にならないこともあるようです。

 

 

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