文化に金を使わない韓国人が韓国文化を誇る奇妙さ—韓国のポップスに浸ってみた(7)-(松沢呉一)
「K-POPが日本市場を狙う事情と韓国の決定的な欠陥—韓国のポップスに浸ってみた(6)」の続きです。
名画を韓国で鑑賞できない理由
韓国人が有料のコンサートに行かないのは当たり前。
韓国男性は結婚するためには見栄えのいい車と家を所有していなければならず、借金して買う。韓国女性は。金のある男と結婚するため、見た目を整えます。美容や整形、服、バッグに金を使う。外見至上主義の国ですから。
そんなところに金を使えば、男も女も金の余裕がないので、見た目になんの影響もない音楽、映画、演劇、文学、絵画に金を使わない。結婚後もローンの支払いがあるので、文化に金を使わない。韓国は家計債務が多く(つまりは借金が多い)、その返済で四苦八苦です。
それで経済が回ってきたのですから、借金してでも見栄を張る韓国人の生き方が悪いわけではないのですが、文化を作り出すには向かない環境です。
韓国の美術愛好家の不満は、国内では世界の名画を観る機会がほとんどないことです。美術館ではレプリカしか見られない。
日本であれば、「印象派展」「ピカソ展」「ポップアート展」など大小の展覧会がひっきりなしに開かれていますし、国外作品を所有している美術館も多くあるので、常設展でそれらを鑑賞できたりしますが、韓国ではほとんど目にすることができないのです。
そのため、日本まで展覧会を観に来る人もいるらしい。そういう人たちが多数いるなら、韓国でも展覧会が可能なはずですが、多数はいない。
展覧会はタダで鑑賞するものであり、有料だと人が来ない。日本で言えば、日展や二科展、美大の卒業展のようなものなら、出展費や学校からの援助によってタダで開催できますが、美術館なり個人なりの所有作品だとレンタル料がかかりますし、パッケージになった展覧会は企画料もかかります。
その金を捻出できなければ開催できるはずがない。
ttこれも、韓国では、「人口が少ないから」で説明されたりしますが、全然説明になってない。そういった展覧会は、東京だけの場合もありますが、全国何ヶ所かで開催されるものもありますから、ソウルだったら人口は十分なはずです。
✴︎2024年4月15日付「韓国経済」 韓国の美術館が直面している経済的苦境をまとめていて、結論を言えば諸外国並みの入場料を取ることができないため、維持さえ困難なのです。これに限らず、すぐに韓国では「公的資金を投入せよ」という話になるのですが(スポーツでも)、その発想は世界に逆行していることがこの記事でよくわかります。
相次ぐ美術作品の破壊
韓国で名画の展覧会が難しい事情が他にもあります。各国の美術館が韓国に貸し出すことに二の足を踏むのです。
韓国では過去に何度も、展示作品を客に破壊されたり、落書きされたりしています。保険に入っているでしょうから、作家なり、所有者なりに金が支払われるでしょうが、金を払えばいいってもんじゃない。
最近、タイのダイビングスポットで、珊瑚にハングルの落書きがされているのが見つかって、ただでさえ反韓感情が高まっている中でのことなので、タイ人激おこ。そのエリアに入ることを禁止にしました。韓国人だけを締め出したかったでしょうが、差別だと騒ぎますから、全部まとめて禁止。ホントに迷惑。
日本でも、1989年、サンゴに落書きをした朝日新聞のカメラマンがいました。これは、手柄を狙って自演したものであり、より悪質とも言えますが、こんな人間はそうそういないのに対して、韓国には無邪気な落書き魔が多数いそうなのが怖いです。計算ではなく、衝動なので、どこに落書きするか予想ができない。数千万円の作品でも、文化財でも平気で落書きします。
日本にも史跡に落書きするのはいますが、美術作品に落書きした例なんてありましたっけね。
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