松沢呉一のビバノン・ライフ

パクリが発覚した時の小林ダルマの選択—末次由紀路線と古塔つみ路線-(松沢呉一)

レインボーをパクった「オンナのソノ」がやるべきこと—という前置きから女装と整形の教訓」の続きです。

 

 

「オンナのソノ」は炎上したいらしい

 

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オンナのソノ」のYouTubeチャンネル(コミュニティのページ)に出た「当チャンネルの投稿コンテンツに関するお詫びとお知らせ」が燃料をさらに投下して、自分らの首を絞めるプレイを続行中。

 

 

 

 

小林ダルマさんの弁明と同様、具体的な名前を一切出していません。「責任者」とあるのは小林ダルマさんのことだろうと推測できますが、だったら、これを書いているのは誰? このチャンネルを運営している法人であるなら、その法人名と代表者の名前を出すべきであり、それがないと、文責ががどこにあるのかもわかりません。

そんな無責任な主体が「調査」したって、なんの意味もない。「本件投稿者の動画コンテンツと一致している事実はございませんでした」、つまり盗用に該当するような内容はなかったと。だったら、非公開にする必要はなく、公開して、第三者が確認できるようにすればいいだろうに。

また、レインボーのコントを参照し、タイトルをパクったことは認めており、中身はパクっていなかったとしても、著作権侵害たり得ます。一般的によく使われる単語や常套句をタイトルにしているのでなく、創作性のあるタイトルです。俳句や短歌でも著作権侵害は成立し得ますから、たかが数十文字だからいいってことはありません。

この無責任なごまかし方は小林ダルマさんと同じ。同類の連中が集まっているだけかもしれないですが、これも小林ダルマさん自身が書いたものだろうと推測しないではいられません。

自分らの悪辣さを棚に上げて、「誹謗中傷に対しては法的な対処をさせていただきます」とやって、火に油を注がなかったのが唯一褒められる点か。

 

 

末次由紀の復活に学ぶ

 

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前回書いたように、私は著作権侵害に対してある意味寛大なところがります。誰しもついうっかりはあります。著作権に無知だったためにやってはいけないことをやってみたり、どこかでインプットした他人の創作物を自分で考えたように思ってしまったり、パロディやフェアユースのように国によっては許されることを日本でもやっていいと勘違いすることもあるでしょう。

こういった例はもちろんのことながら、著作権侵害の可能性があることを認識していながら、「ここまではいいか」「なんか言われたら消せばいい」とすることもあるでしょう。私もあります。実際、判断が難しいボーダー領域がありますから、裁判にならんとわからんことはありますよ。

先日取り上げたNewJeansの曲の盗用疑惑は、裁判になった時にどういう判断がなされるか、完全に予想することは難しく、現段階で、盗人呼ばわりは好ましくないでしょう。

 

 

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