K-POPが日本市場を狙う事情と韓国の決定的な欠陥—韓国のポップスに浸ってみた(6)-(松沢呉一)
「NMIXX(エンミックス)の「独島は我らの領土」とK-POPアイドル残酷物語—韓国のポップスに浸ってみた(5)」の続きです。
日本人も騙されなくなってきたK-POP
私はK-POPアイドルに興味がなく、このシリーズはアイドル以外の韓国ポップスを取り上げようとして始めたのですが、「なんで韓国ではK-POPアイドルはガキにしか聴かれなくなったのか」を説明するために、あれこれ調べているうちに、不祥事や内紛が面白くなっちまったぜよ。さすが人を楽しませるエンターテイナーたちです。相変わらず曲には興味がないですが。
いつ本題に入れるかわからないですが、引き続きK-POPアイドルの実情を見ていくことにします。
9月の7日と8日に大阪京セラドームで開かれた「ザ·ファクトミュージックアワード」(THE FACT MUSIC AWARDS)の件にも注目しました。今年で7回目を迎える賞イベントであり、本年初めて日本で開催。
これがガラガラで大赤字だったようです。
それでも入場料がバカ高いので、半分も入れば採算が取れる設定になっているのかと思ったのですが、比較的入っていた2日目でも半分は埋まらなかった模様。
K-POPアイドルは人数が多いですから、いかに近くても、あご足だけでけっこうかさみますし、パフォーマンスもやるので、とくに人気グループは「授賞式だからノーギャラで」というわけにはいかないでしょう。
どういう契約になっているかわからないですが、通常は韓国の主催が赤字分を負担するものです。売上は日本のイベンターに入っているでしょうが、足りない分は踏み倒されかねまい。
「だったらなんで日本でやるんだよ。韓国だったら経費が少なくて済むし、客も集まるだろ」とツッコミが入るところですが、韓国ではガキしか聴かないジャンルと化してしまったので、高い金は取れない。
そもそも韓国ではコンサートで採算を取るのは容易ではありません。
サッカー韓国代表が弱いのは芝のせい?
韓国で多用される自己正当化の論に「人口」があります。サッカーや野球で日本に負けると、「人口が半分以下だから仕方がない」と言い出すのが必ずいます。人口が多ければ人材が発掘されやすいのは事実ですが、それだけで決定するはずがなく、人口5,100万人の韓国はつねに人口2,600万人の北朝鮮に勝たなきゃおかしい。
こういう言い訳は「なぜ韓国にはコンサートができる場所が少ないのか」の回答でも出てきます。「人口が少ないから仕方がない」と。
しかし、韓国の人口はソウルに集中していて、980万人。他の地域はともあれ、ソウルについては、十分な多目的ホール、クラシック専門ホール、ロック向きスタンディングホール、ライブハウスがあってっていいはずです。細かく確認はしていないですが、コンサート専用の場所は少ない。大きな会場は展示場やスポーツにも使用されるホールになって設営に経費がかさみます。入場料を高くするしかない。そうすると客が集まらない。
しかし、スポーツ用の施設をコンサーとで使用するのは思わぬ効用があります。試合に負けた時の言い訳になるのです、韓国では。
サッカーのWCアジア最終予選で韓国代表はパレスチナ代表と0-0で引き分けて、韓国選手やメディアは「芝が悪い」と負け惜しみを言っていました。芝の状態はよくなかったのは事実のようですが、芝が韓国にのみ不利に働いた怪奇現象があったのか?。
昨年、歴史的な失敗に終わった世界スカウト・ジャンボリーの最終日に行われたK-POPのコンサートで芝が荒れたんですってよ。1年前の8月ですよ、そのまま放置してたんか(実際には、芝が荒れたのは最近のことらしい)。
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