日本の「極右の差別主義者」代表としてキャベツの人が足蹴にされる?—ドイツにおけるキャベツの意味-(松沢呉一)
「「アサシン クリード シャドウズ」のフィギュアが炎上→PURE ARTSは謝罪とともにやり直し—弥助の祟りを解く手本」の続きです。
全然意味がわからん、キャベツの役割
「「アサシン クリード シャドウズ」のフィギュアが炎上→PURE ARTSは謝罪とともにやり直し—弥助の祟りを解く手本」の段階では「
織田木瓜」をあしらったソックスについてどこで発売されたのか確認ができなかったのですが、キャベツの人が説明してくれてます。
キャベツの人が終了かあ(笑)。
確かにあのキャベツは唐突すぎて、意味がわからない。それなりに手間暇かけた映像ですから、なんか事情がない限り、キャベツを出さないと思うんですよね。
だから、キャベツの人への当てつけだと見る人たちがいるわけですが、いかにキャベツの人が日本の「極右の差別主義者」の代表だからって、あっちのゲーマーの大多数はキャベツの人なんて知らんでしょ。
本人が言っているように、「弥助やないかい」がバズったと言っても、その作者までは知らんて。作者はSuno AIですが。
この映像を制作したFriendly Fireは、ドイツのYouTuberとストリーマーによるチャリティ・イベントをやっている団体です(正確には2015年から毎年12月第1土曜日に行われるチャリティ・ライブストリーム自体の名称)。
昨年と今年のメインスポンサーはUBIソフトということで、「アサシン クリード シャドウズ」にちなんで日本が舞台にした告知映像が公開されたという経緯。
https://www.youtube.com/watch?v=PwtSAm6hqpo
これに対して、「なんで黒人を出さないのか」という批判が出てます。メンバーに黒人もアジア人もいないのでしょう。いないのに、わざわざ出すのはかえって不自然。
「なぜ同性愛者やトランスジェンダーがいないのか」という批判を加えてもいいでしょう。「メンバーにもそういう人たちがいるが、誰がそうなのかをこの中で明らかにする必然性がない」と反論するかもしれません。これでいいと思います。そういった必然性がない作品にも黒人を出し、歴史を踏みにじった上で、「歴史に基づいて云々」とやり腐ったのがUBIソフトです。
ドイツのキャベツ需要
キャベツはドイツという場所に関係しているのではないか。ザワークラウトの国ですから。
今検索して気づきましたが、キャベツの意味のドイツ語はkrautではないんですね。クラウトはハーブや野菜の意味で、キャベツはコール(kohl)。コールスロー(coleslaw)のコールか。coleslawはオランダ語のkoolsalade(キャベツサラダ)が英語化したもの。
kohlの語源はラテン語のcaulis。ケールもここから派生したのだろうと思ったら、ドイツ語でケールはGrünkohl(緑のキャベツ)。ケールとキャベとは近い種類の植物です。
生産量を調べたら、ドイツは世界15位。日本は7位です。
「野菜ナビ」より
ザワークラウトはドイツ料理に欠かせないと言っても、キャベツの塩漬けですから、そんなに量を食うもんではない。あとはロールキャベツ(Kohlroulade)もよく食べるはずですが、お好み焼きや焼きそばに使うキャベツや豚カツに添えるキャベツの方が多いのでしょう。
韓国m多い。白菜だけじゃないんか。しかし、韓国も日本も中国には負けます。人口が多いから当然ですが、1人当たりの消費量で考えてもむちゃくちゃ多い。回鍋肉のような肉と野菜の炒め物にはつきものですが、中華料理でキャベツってそんなに使いましたっけ。
ドイツのKohlfest(キャベツ祭り)
中国のことはどうでもいいとして、ドイツです。
スペインの「トマト祭り」(La Tomatina)のように、キャベツを投げ合う祭りがドイツにはあるのです、きっと。
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