ロッド・スチュアート「セイリング」を歌う定食屋のおばちゃん—街ゆくTシャツ-(松沢呉一)
外国人観光客のTシャツ
「「ガールズ バンド クライ」の不登校Tシャツから考える—主張が行き過ぎる人の心理」を書いたのをきっかけに、街ゆくTシャツが気になってます。
つっても、このシーズンですから、Tシャツの上にシャツやジャケットを着ているのが一般的ですが、前をはだけている人もいますし、こんな季節でも、上着なしでいる人もそれなりにいます。とくに外国人観光客。昼間に歩き回ると汗をかきますもんね。
ただし、観光客は富士山のTシャツや浮世絵のTシャツなど、日本で買ったTシャツを早速着ているので、「だっせえ」と思ってしまいます。
「武士道」と漢字で縦に書かれたTシャツも見ました。「不登校」Tシャツとペアで着ると良さそうです。
観光で訪れた場所で私もTシャツを買ったことはありますが、米国や英国で買ったのはバンドもののTシャツでした。インドの西チベットに行った時は「 FREE TIBET」のTシャツを買いましたし、台湾ではセックスワーク支援のTシャツを買いました。ありきたりの観光Tシャツは一回も買ったことはないです。
でも、浅草に行くと、観光Tシャツがズラリと並んでいて、実際に着ているのを見かけるので、相当に需要はあるのでしょう。着ているのはたいていおっさんです。
そういうTシャツはどうでもいいとして、中野ブロードウェイには、萌えキャラのTシャツを着た若者やおっさんがいます。中野ブロードウェイにも観光Tシャツが売られてますが、それよりオタク系Tシャツが主流商品です。
なんのTシャツなのかわからないものが多い中、がうるぐらのTシャツだけはわかりました。今や、ドジャーズの看板ですから、日本で買ったんじゃないのかも。
検索したら、ドジャーズとコラボしたTシャツも販売されてます。これは欲しくなりますが、40ドルもします。私が見たのはこれではなかったですが、米国では他にもいろいろ出てます。
日本には萌え絵を憎悪する狂った勢力がいるので、襲撃されないように注意していただきたいものです。
✴︎武士道Tシャツは楽天で2,400円。文字自体に著作権がありますが、武士道という言葉には著作権はないので、いろんなところが出してます。
ビートルズとジョイ・ディヴィジョンのTシャツ
観光客のTシャツは別の意味で面白みがありますが、私が注目しているのは音楽ものです。
屋外だとTシャツ全体が見えることは少ないですが、銭湯の脱衣場では観察が容易です。数日前に、ビートルズのロゴがプリントされた黒Tシャツを見ました。背面は見えなかったですが、前面はロゴだけです。
ビートルズはすげえなあ。1970年に解散して、半世紀以上経ってもTシャツが売れるんですよ。ロゴの権利がどこにあるのかわからないですが、それだけで何人か食っていけるくらいの使用料が入ってくるのかも。
同じ日に、風呂から出たら、「Kills」と書かれたTシャツを着てるのがいました。デザインからしても、パンクかメタルのバンドっぽいと思ったのですが、よくよく見たら、その上に、小さな文字で、「Cigarette」と書かれてました。嫌煙運動のTシャツか。
でもさ、この場合は、複数形にした方が自然では? 自信はないけど。「Smoking Kills」というフレーズはたまに見るので、それをアレンジしたんじゃないですかね。ここに出したのは13,800円のキャップ。
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