松沢呉一のビバノン・ライフ

韓国情勢の本日の見どころ—弾劾決議と戒厳令第二弾-(松沢呉一)

 

どうやらまだ気は抜けないよう

 

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風邪をひいてしまったぜ。昨日から鼻水が止まらず、デカいくしゃみがたびたび出て、腹も痛いし、熱っぽい。たっぷり寝たので、ひどくはなってないですが、頭が働かないです。もともと働かないのは秘密です。

戒厳令が出され、緊迫していたあの夜、なんの興味もなく、酒飲んでセックスしてグースカ寝ていた日本のテレビ局員たちも、韓国系YouTuberたちの動画を観て、やっと「韓国は大変なことになっているらしいぞ」と気づいて、今は諸外国並みに報道し始めています。

テレビってさ、新聞・雑誌に比して速報性の点で圧倒的に強さを発揮できる点に存在意義があると思われていますが、日本のテレビについては幻想であることを自ら明らかにしてしまいました。兵庫県知事についての報道が典型であるように、もともと正確性は二の次だったわけですが、それもどん底に落ち、自慢の速報性も放棄してしまい、あとはお笑いとスポーツ中継だけやっとけばいいべ。

生中継だと自動翻訳が使えないことがあるのが難点ですが、日本のメディアが伝えなくても、その国のメディアやYouTuberが奮闘してくれればよし。

韓国メディアもあんまり信用はできないですが、地元の利で情報を得やすい分、こういう場合は役に立ちます。

戒厳令が出された6時間後には解除されたわけですが、あの日のうちには「これで終わりではない」という意見がちらほら出ていて、きばるんも「二回目の戒厳令があるかもしれないので、日本に来る予定のある人は一旦キャンセルした方がいい」と言ってました。

 

 

 

戒厳令第二弾はあるのか?

 

vivanon_sentenceこの段階では詳細がわからなかったのですが、尹錫悦大統領の戒厳令は予行演習であった、あるいは本当の目的を隠すカモフラージュだったとの話が出てきます。

「予め軍との調整は済んでいたっぽいのに、なんでみすみす戒厳令の解除決議をやらせてしまったのか」の謎も国会に軍を配置したのは目眩しであったと考えると納得できます。

戒厳令の主眼は選挙管理委員会の強制捜査であったのはどうも本当っぽい。複数の選挙管理委員会に総勢300人の兵士が突入しており、4月の選挙でコンピュータで不正操作が行われた疑惑があり、告発もなされていますが、不起訴になっており、尹大統領はなお納得していなかったようです。

いざ踏み込んでみたら、何も証拠が出てこなかったらそれまで。もし証拠が出てきたら、あとは検察に任せればいい。尹大統領は元検事総長ですから、検察とのパイプは強いでしょう。

よって、有無を言わさず、共に民主党の幹部や民主労組の幹部を射殺するか拘束して刑務所にぶち込むつもりがなければ、再度の戒厳令の必要は薄いと私は思ってました。

✴︎2024年12月6日付「ハンギョレ新聞」 選管に軍が突入したことを伝える記事

 

 

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