松沢呉一のビバノン・ライフ

「アサシン クリード シャドウズ」再度発売延期説が消えず、発売即発売中止説も浮上—ゲーム史上最大の炎上へ-(松沢呉一)

 

「アサシン クリード シャドウズ」で日本刀の監修をしたのは米人

 

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しつこく「アサシン クリード シャドウズ」発売が延期されるとの情報が出ています。ネタ元は内部のリーク情報で、どこまで信用できるのかわからないですが、あり得ないとは言えなくなってきてます。

発売が近づいてきて、UBIソフトが情報を多数出すようになり、それがいちいち炎上ネタになっている感があります。例えば日本刀の監修をしたのは米ボルチモアのグループであったことが数日前に公開されています。

 

 

右は「アサシン クリード シャドウズ」のアシスタント・ディレクターであるUBIのサイモン・ルメイ。左は、ボルチモア・ナイフ&ソードの代表であるケリー・スタグマー。

ボルチモア・ナイフ&ソードはこれまでにも「アサシン クリード」シリーズで監修を担当してきて、刀やナイフの専門家であるのは事実として、日本刀の知識は怪しいと、この映像内の発言から指摘されています。

これまでの経緯から依頼しただけで、それ以上の意味はないのかもしれず、彼らが日本刀を理解しているかどうかも確認していなかったのではなかろうか。

あらゆる点で手持ちの人脈内で「専門家」を調達しただけだったことはほとんど確定したと言ってよく、日本のことをよく知らない日系がいるにせよ、日本の専門家と言える人物は誰も関わっていなかったようです。

 

 

台湾からも批判(小ネタだけど)

 

vivanon_sentence無視できるものはいいとして、無視できない批判や指摘も増えてきて、内部はてんやわんやなんだろうと想像します。例えばバグが大量に見つかった場合、「もう時間がないから、これで行くしかない」派と「いくら何でものバグが多すぎて、発売後の炎上が怖い」派が対立しているとか。

また、前回書いたように、時間がかかりましたが、日本からの批判内容が広く理解されるようになって、それらが一気にUBIソフトに向けられているってこともありましょう。弥助以前から、ゲームのクオリティ低下やポリコレの反映に対して反発するアンチUBI派は一定の力を持っていて、彼らが大量の攻撃ネタをゲットして、支持派とのバトルを繰り広げることでこれまでで最高の盛り上がりを見せています。今まで使ってきた「批判しているのは差別者だ」というお得意の逃げがもう成立しなくなっているので、ごまかしてきたあれもこれも、ここに来て対応を迫られていそうでもあります。

地域的拡大も見られ、小ネタではありますが、 台湾からの批判も出ています。少しでも金を作りたいようで、UBIソフトはさまざまな企業とタイアップして、グッズを乱発中で、米国のフレーバーコーヒーやフレーバーティーのメーカー「マドリナス」とのコラボ商品を出したのですが、当初はタピオカ・ミルクティーだったため、台湾から「タピオカ・ミルクティーは台湾のもの。日本には他にいくらでも名産があるだろ」と批判され、差し替えたみたい。

UBIソフトやマドリナスとしては「アジアらしければなんでもいい」ということなのでしょう。「宣伝と小銭稼ぎのコラボ商品としてはそんなものでもいいんじゃないか」と私は思うのだけれど、こういう姿勢で「アサシン クリード シャドウズ」自体作られてますから、それを考慮すると、「いい加減にしろ」ってことになりますし、台湾からすると、自分らの名産を利用された気になるのは理解できます。

UBIソフトがいい加減なことをやり続けたツケです。

ただ、中国系は、日本の着物を「アジアの民族衣装」として、「文化盗用だ」と騒いでイベントを中止に追い込み韓国系は「アジアのサムライ」として、あたかも自分も当事者のように偽装して、弥助を主人公にすることを肯定してましたよね。中国系、韓国系は日本人を偽装することも平気でやります。こういう連中が、アジアの国々をそれぞれ独立した国として認識させることを妨害しています。

しかし、私の知る限り台湾は関係ないです。

✴︎「ASSASSIN’S CREED SHADOWS COLLECTOR’S BOX

 

 

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