エース離脱=絶望ではない。篠山キャプテンが前を向く理由とは?<コラム>
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1月6日のアルバルク東京戦の1Qにニック・ファジーカスが負傷した。左膝内側側副靱帯損傷という大怪我で、復帰がいつになるかはわからない。
アルバルクの得意とするスイッチディフェンス攻略のために、ファジーカスを起点とする打開策を用意していた川崎ブレイブサンダースは、6日の試合で3Qまでシーソーゲームを演じたが、4Qに一気に引き離され、敗れてしまった。
その翌日。
試合前のミーティングで、佐藤賢次HCからは大きくわけて2つのメッセージが送られた。
1つ目は、普段と同じように、その日の対戦相手の長所に対抗する術について。
「相手の強さは、フィジカルのバトルだ。ボールがある所だけではなくて、動き出す前、スクリーンをかける前、スクリーンをかける瞬間、ボールがない所でのぶつかり合いにも絶対に負けてはいけないぞ! ファールすれすれで挑んでくるフィジカルのバトルで、40分勝ち続けよう」
もう1つは、エースのファジーカスを欠くことになったこのタイミングだからこそ強調する話だった。
「どんな(良い)状況でも、全てがパーフェクトに進む試合というのはなかなかない。どんなにリバウンドを頑張っても取られることもあるだろう。
でも、今日の試合ではそういう(苦しい)状況になっても絶対に顔を下げないで、みんなでハドルを組んで、チームで戦い続けよう!」
確かに、この日はファジーカスだけではなく、コンディション不良のためにジョーダン・ヒースも欠いていた影響があり、最終的には敗れてしまった。
しかし、エースがいない状況を言い訳にはしないというメッセージの効果は間違いなくあった。序盤から奮起した川崎ブレイブサンダースは1Qに最大8点のリードを奪う時間帯もあったわけだから。
果たして、キャプテンの篠山竜青はこの状況をどう捉えているのだろうか?
その話に移る前に、今シーズンの篠山の置かれた状況について、本人のコメントとともに整理してみよう。
「昨シーズンは勝負所でなかなかコートに立つことができずコートの外で選手たちを励ますことしかできなかったので、改めてこうやってもう一度勝負所で使ってもらえるようになってきたことは、選手として本当に幸せだと思います」
今シーズン、藤井祐眞と同時にコートに立つときには、篠山がPGとしてゲームコントロールに徹し、藤井がSGとして得点やアシストを狙いにいく。それぞれの役割がハッキリしている。だから、篠山は12月末の時点でこのように話していた。
「優勝するためには、どういうプレーをコールして、どのようにボールを動かして…というゲームコントロールがチームの課題だと思うので。そういった意味で、自分がPGとして、しっかりコントロールしたいです」
自分はPGとして、川崎の勝負の行方を握っている--。
その自覚と、責任の重さから来るやりがいを感じているからこそ、ファジーカスがしばらく欠場することが決まったあと、篠山は前向きなコメントを発することになった。
篠山は以下のように話している。
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