限界突パ

【編集長コラム】2番には「強打者」を置く時代。高校野球のトレンドは?

第105回全国高校野球選手権大会の取材に来ています。
今日で1回戦が終わり、3試合目から2回戦に突入しました。

毎年、取材に来ていて考えるのは野球のトレンドがどのようなものであるのか。それらがどの程度まで浸透しているか。これの確認を行なっています。

例えていうと、最近、日本のプロ野球でもメジャーリーグに倣うかのように「2番打者」の考え方がかつてとは変化してきているというのがあると思います。アーロン・ジャッジ(ヤンキース)や大谷翔平選手(エンゼルス)のような「強打者」を置くケースを日本の野球界も取り入れるようになってきています。

高校野球はというと千差万別です。どちらかというと2番打者に関する考え方はまだまだ浸透していないかもしれません。1回戦の中では花巻東(岩手)や浜松開誠館(静岡)、東海大星翔(熊本)などが取り入れていました。

ただ、こういう動きを見る一方で、対戦相手がどういう対策をしているかも気になるところです。

2番への考え方が変わってきているのに、未だ「2番はつなぎ」だと思ってしまって、ちょっと気を抜いてしまうケースも少なくありません。こういうのって、完全に指導者の情報不足なんですよね。

2番に強打者を置くことも、相手がそういうスタンスであるかを理解することも、知るかどうかは、情報次第。指導者のレベルが見えるというものです。

一方、花巻東はOBにメジャーリーガーが2人もいるものだから、そこについては敏感。高校通算140発のスラッガー佐々木麟太郎選手の2番起用さえ考えたと言います。打順の組み方も上位にチームの中で良い打者を固めて得点を挙げていくという戦い方をとっているのです。

もちろん、それをやれば勝てるということではないのですが、やはり情報弱者になっていては、苦労するのは選手たちですし、なるべく、多くのことを指導者は教えてあげるべきで、そのためには指導者自身が勉強しなければいけない。

まだ大会は始まったばかり。トレンドはこれからも生まれていくし、今大会でも面白いチームがいくつもあるので、目を凝らして見てみようかと思います。

読者の皆さんも、機会がありましたら、高校野球をそういった視点で見てもらえたらと思います。

(文・氏原英明)

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