限界突パ

ソフトバンク今宮は「注目選手にライバル心むき出しの選手だった」。やんちゃ坊主を変えた敗戦。【プロ野球選手の高校時代】

ことしも夏の風物詩「甲子園」が開幕した。プロ野球選手のほとんどが高校野球を経験し、この舞台を目指してきた。甲子園出場を果たせた選手、念願叶わなかった選手がそれぞれいるが、彼らにとって「甲子園」はどんな意味を持ったのだったのだろうか。今月はプロ野球選手にとっての「甲子園」を中心にお送りしていく。第3回目はソフトバンクの今宮健太選手をお送りする。(取材・文 氏原英明)

 こんな高校球児がいるのか。

 悪い意味で彼のことを知ったのはまだ高校1年生の秋くらいのことだった。

 明豊高校のエースで1番打者だった今宮健太(ソフトバンク)が九州大会を制覇して臨んだ神宮大会のある試合、センター前ヒットを放つと、歩くかのようなスピードで一塁へ到達したのだった。

キビキビとした高校生らしい動きとは到底言えなかった。
高校野球を舐め腐ったヤンチャ坊主。

それが今宮の最初の印象だった。

しかし、今となってはそんな今宮評は過去のこと。その悪評はいっぺんし、筆者自身のアスリートの本質を見直すきっかけとなった。

では今宮の何が凄かったのか。

今宮は2年春、3年春・夏と甲子園に出場している。

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