限界突パ

まるで西武・中村剛也?トレード移籍の野村大樹の思考力に期待したくなる理由。

中村剛也タイプ。
彼のマインドを分けると、そう言えるかもしれない。

ソフトバンクから移籍し、7月20日のソフトバンク戦では初本塁打をマークした野村大樹のことである。

中村といえば、言わずと知れたホームランアーチストである。現役生活の中で6度のホームランキングの獲得は恐れ入る。シーズンを離脱したことが何シーズンもあったから、そのタイトル奪取率は推して知るべしである。

そんな中村とプロ入り6年間でホームラン2本の野村のスタイルが重なるはずもないが、野村に感じるのはバッターとしてのスタイルの話ではなく、思考力についてだ。

中村は豪快なスイングからのホームランばかりが目立つが、やはり、誰にも真似できないのはその考え方だ。ホームラン量産の理由を尋ねると「ホームランを打つためのスイングをしている」と語るが、言い換えればホームランが打てることを誰よりも考えているとも言える。スイング軌道はもちろん、打つボールのチョイス、コースなど、ホームランになることをきっちり考えている。

例えば、サヨナラで飾った400号ホームラン。
これは当時、オリックスにいた増井浩俊からフォークが抜けたところをしっかりと捉えたものだった。この時の中村の狙いは実に職人芸の言葉だった。

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