西武・西口監督就任会見全文公開。「今、この場にいることが夢心地です」。
――来年は優勝というのを求めるところになってくるんでしょうか?
飯田 当然、優勝を目指してやってきますけども、優勝がマストいうことじゃなくて、やっぱりしっかりとしたチームの強さっていう積み上げが必要だと思いますので、そこはいかに成長していけるかっていうところを主眼に置いていきたいと思ってます。
――1軍監督の就任を打診されたときのお気持ち。例えば、受けるかどうかっていうところで、何か揺らぎがあったりとか迷いがあった末の決断だったのかっていうのを教えていただきたいのと、本部長には、オファーをされたときに、どういうような口説き文句でオファーされたのかっていうのを教えていただけますでしょうか?
飯田 もうあなたしかいないです。もうお前しかいないと。わかってるでしょうと。チームの今の状況も全てわかってるし、実績もファームの監督として3年積み上げてきたし、もうチームの課題も戦力の状況もわかってるんで、西口しかいないんだよ。監督しかいないんで、ぜひよろしく頼むというところです。
西口 今の言葉をいただいて、心の中で俺しかいないのかとは思ってないですよ。大体ひと月ぐらい前にお話をいただいて、そこで少し考える時間をいただきましたけども、自分の中では、その考えてる間に勝てるチームっていうか、勝つようなチームにしていけるかなっていうことを考えた上でご返事させていただきました。
――ということでしたら、気もちがあって、それでもう受けるっていう前提で考えられてたっていうことでしょうか。どうやってチームを強くするかというと、すぐにもお話があった時にも気が向いたっていうのか。前向きだったっていうことですか。
西口 だからさっき本部長がおっしゃられたように、お前しかいないと言われたら俺しかいないのか。だから考えました。
――先ほど飯田本部長より常勝軍団を目指してるっていうことをおっしゃられている。来季に向けてっていうところだと思うんですけど、西口監督ご自身はどのような成績をあげれば自分に合格点をつけられると思うのかを教えていただきたい。
西口 どのような成績っていうかね、現役のときだったら先発をしてたらやっぱり2桁は最低でもというふうに自分の中でやってましたけども、数字的なことはあんまり考えずに、そこにとらわれてしまうと自分の考え方も柔軟な考え方ができなくなってしまうかも知れないので、そこはどうやって選手の力を伸ばしていけるかっていう方に気持ちをおいて取り組んでいきたいなっていうふうに思ってます。
――先ほどもちょっとあったんですが、渡辺GMが西口さんが勝負師であるというお話だったんですけど、ご自身で勝負師っていうのはどういう面が思われるかっていうのがまず一点。それから新しく鳥越ヘッドコーチが就任されますけれども、ヘッドコーチに期待したいこと、やってもらいたいことがあれば教えていただければと
西口 自分が勝負師かどうかわかんないですけど、やっぱりここっていう試合で現役のときに勝っていたりしたところじゃないですかね。自分の中でも自分はどちらかというと勝負師かなっていうふうな思いはあります。鳥越さんに期待すると言えば、自分は、ご覧の通りおおらかな人間ですけど、ときには厳しいですけども、鳥越さんには僕よりも厳しく、選手に接していただければなと思います。
――西口監督の監督就任にされた理由はわかったんですけれども、この決定は以前だと、渡辺GMというのがいらっしゃって、渡辺GMが全ての責任を背負っておられて今回も退任されたと思うんすけど、GMを新たに置かない中で、どのような形で、どなたが決定をされたのかっていうのを一つお聞かせください。それと、今後はもうGMは置かないでしょうかっていうのが一つ。お願いします。
飯田 監督決定のプロセスっていうのは具体的な話はもう控えさせていただきますけども、それこそ球団で関係する人っていうんですかね。そこで話し合って決めたことですので、私1人で当然決めたことではありませんし、みんなで話し合った総意としてました。具体的なプロセスは控えさせていただきます。GM職につきましては来季は置かない予定となってます。
――監督に質問がいくつかあります。最近のプロ野球はかなりデータを重視というか。かなりデータが明らかになってきて、データを重視する球団も増えてると思うんですけど、監督自身の考え方の中で、例えば守備の指数だったりとか、そういうものを重視して選手起用するとか、そのデータについてはどういうふうに考えてますか。
西口 もちろん、今、現状でもファームでもデータっていうのはやっぱり出ていますし、どちらかという、打撃の方に、やっぱりそのデータを、私自身は重きを置いてやってるんで、それによって選手は起用はあまり考えてはいないです。
――ピンポイントな質問をさせていただきたいですけど、最近のプロ野球は、監督の色って2番バッターに色が出るなって個人的には感じているんですけど、西口さんは2番バッターはどういう選手を置きたいと考えていらっしゃいますか。
西口 2番バッターというのはやっぱり何でもできるバッターはね、やっぱり2番には据えたいなと思ってるので、ファームの起用法を見ていただければどういうバッターを2番に置いてるかっていうのをねわかると思うんでお願いします。
――今年は本当に長打力がすごい厳しい状況だと思うんですけど、改めて、その状況を踏まえた上での攻撃面の点の取り方っていうイメージは何かありますでしょうか?
西口 そうですね、長打力があるには越したことはないんですけども、ないないのやっぱり戦い方っていうですかね、そういう打線の組み方も考えていかなきゃいけないっていうふうには考えてますんでそこに足を絡ませることが一番いいんですけども、そこは補強を含め、ドラフトを含めそれ以降考えていきたいと思ってます。
――西口新監督の現役時代は本当に何回もノーノーがおしかったっていうのもありますけど、監督としては、ぜひ達成してもらいたいなとか。見てみたいな思いがあります。
西口 監督として見る方がよりドキドキすると思うんで。やってくれればもちろんチームの勝利に繋がるので嬉しいことだとは思います。
――ここまでのお話の中で、2軍で成績を残されてる選手がもっと1軍で活躍してほしいという思いがありましたけども、一つ具体例としてメンタルという言葉がありましたが、そのメンタルの具体的にどんな要素があってそういうふうにお思いになったのか教えていただけますか。
西口 一番わかりやすいのが2軍では自分らしいバッティングで成績を残せるけども、一軍に上がるとやっぱりどうしても結果を求めるっていうか、成績を出さなければいけないっていう思いが強すぎるように見えて、それで率が上がってこないっていうところがあると思うんで、やっぱりそういうところ考え方。やっぱり一番自分は感じましたね。
――それと、ご自身のことについてお話されたときに、当時はここまで活躍するとは自分で思ってなかったというお言葉ありましたけども、それでも活躍できた理由っていうのは周囲からのサポートもあったかと思いますが、ご自身の中ではどんなことが理由にあげられますか。
西口 素質だったんですかね。自分ではちょっとわからないです。ただ日々努力の積み重ねが結果に出たかなっていうふうに思います。
――鳥越さんの名前が出ましたけれど、先ほど西口さんはより厳しいってこと言われたと思いますけど、飯田さん、どういった理由でどういったところに対して鳥越ヘッドコーチの招聘をされたんでしょうか?
飯田 そうですね、球団としてはやっぱり今までにない視点とか考え方とか経験とか、そういうものが必要。外部の新しい血といいますかね。そういうものが必要だなっていうところが一つあります。あとはやっぱり厳しさを持って今まで指導しておられたという方ですので、ヘッドコーチということでお願いさせていただきました。
――その外部からの血っていうのを入れることで、よりいろんなものが進む相乗効果にプラスに働くことを期待されてますでしょうか?
飯田 そうですね。やはり今シーズン、こういうチームの状況になりまして、やはり根本的にチームを変えていかないといけない。新しい考え方を取り入れる、やっぱりそういうことが必要だなと思いましたので、今までのライオンズだけじゃない、いろんなものを要素を取り入れることによってチームをしっかりとまた立て直していく。新しい常勝軍団を作っていくという思いです。
――最後に西口監督よりファンの皆様へ一言メッセージをお願いいたします。
西口 YouTubeをご覧の西武ライオンズファンの皆様、今年はベルーナドームから西武球場前駅まで帰る足取り重かったと思います。来年は少しでも足取りが軽くなっていただけるように精一杯頑張っていきますので、ファンの皆様、またこれからも応援よろしくお願いします
(取材・文 氏原英明)