京滋ベースボールパーク(KBP)

大学日本代表候補にも選ばれた同志社大・辻井心が今季に掲げる目標とは?

4月5日に開幕する関西学生野球連盟春季リーグ戦。注目選手の一人に挙げたいのが同志社大の正捕手・辻井心(新3年=京都国際)だ。

高校時代は甲子園に3度出場。キャッチング能力の高さと勝負強い打撃に定評があり、昨秋は初めてベストナインに輝いた。さらに昨年12月に行われた侍ジャパン大学代表候補選手の強化合宿にも召集されている。

関西屈指の捕手に成長した辻井に強化合宿で感じたことや今年の抱負を聞いてみた。

プロフィール

辻井心(つじい・じん)

2005年8月9日生まれ。京都府京都市出身。捕手。右投右打。170㎝、75㎏。スポーツ健康科学部新3年生。京都国際高では1年秋から三塁手のレギュラーとなり、2年生の春夏に甲子園出場。最上級生では主将を務め、中学時代まで守っていた捕手に再コンバート。森下瑠大(DeNA)をバッテリーを組み、3年夏の甲子園に出場した。同志社大では1年春から正捕手となり、昨秋にベストナインを受賞。侍ジャパン大学代表候補強化合宿にも召集された。

代表候補合宿で実力不足を実感

1年春から正捕手の座を掴み、昨秋はリーグ6位の.357をマーク。「ベストナインは取れましたけど、1打席1打席の内容がそんなに良かったわけではなくて、良い時と悪い時の差もありました」と決して満足の行く出来ではなかったようだ。

それでも秋の活躍が評価されて強化合宿のメンバー入りを果たす。これには驚きもあったようだが、「代表に選ばれるということは、大学に入ってから目標にしていたことの一つだったので、まずはスタートラインに立てたのはすごく嬉しかったです」と喜んだ。

辻井以外に選出されたのは慶應義塾大の渡辺憩(新2年=慶應義塾)、明治大の小島大河(新4年=東海大相模)、亜細亜大の前嶋藍(新3年=横浜隼人)、青山学院大の渡部海(新3年=智辯和歌山)、大阪商業大の蜷川大(新4年=広陵)の5人。その中で「能力的には一番低い」と実力差を痛感したという。

「肩が強いというよりは、キャッチャーとしての声かけであったりとか、東京の選手は捕ってからの速さや足の運びなど全てが速かったので、そういったところは練習から変えていかないといけないと思いました。凄く良い勉強になったかなと思うので、本当に行って良かったと思っています」

入学早々からレギュラーになり、2年生で代表候補にも選ばれた。ここまでは順調に大学野球生活を送っているように見える。ここまでの自己評価を辻井はこう語った。

「試合に出させてもらってる分に関しては満足いっているんですけど、内容的には全然満足いっていないです。凄い成績を残したり、目に焼き付けるような選手ではないと思うので、普通くらいですね。良かった部分も悪かった部分もあったかなって思います」

今季は初の首位打者が目標

昨秋はリーグ6位の高打率をマーク

昨秋は開幕節で京大に連勝したが、それから8連敗。2勝8敗の勝ち点1で5位と苦しいシーズンとなった。高校時代は新型コロナウイルスの集団感染で出場辞退になった3年春も含めると、実質的に4季連続で甲子園に出場できていた。それだけにもどかしさはあるが、その現状も前向きに捉えている。

「高校はすんなり勝てていたので、『なんで負けるんだろう?』というのを考えたことがなかったんで、今はそういったことを考えられます。上の世界でやるにあたって、そういったことも自分の中で考えていかないといけないと思うので、今はまだまだ勝ててないですけど、凄く成長できてるかなと思っています」

今年就任したばかりの竹川智之監督は「絶対的なレギュラーは辻井くらい」と信頼を寄せている。今年から上級生となり、中心選手としての自覚は十分だ。今季の目標を次のように語っている。

「去年はベストナインを取れて、今年もそこは目指していきたいんですけど、首位打者というところも目指してやっていきたいなと思っています。去年は良いところまで行ったんですけど、最後はちょっと体調不良とかもあって良くなかったので、今年は1節目から最終戦まで良い状態を保ったまま終えられるような形を作るのがベストだと思うので、今はそこを目指して練習に励んでるという感じです」

リーグ屈指の捕手へと成長を遂げている辻井。さらなる飛躍に期待が高まる。

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