九ベ! ——九州ベースボール——

大濠が”九州最強軍団”になるために━━あと一歩の壁④福岡大大濠・八木啓伸監督(後編)

三浦銀二(DeNA)、古賀悠斗(西武)の高校日本代表バッテリーを擁した2017年夏以上の手応えで臨んだ今夏も、福岡大大濠は決勝で涙を飲んだ。
八木啓伸監督は夏に味わった悔しさをチーム強化のカンフル剤に変え、来春センバツを賭けた秋季大会に備える。
特別インタビュー後編の今回は、夏の甲子園で2年連続4強入りを果たした同じ九州地区のライバルについても語ってくれた。


「個の力」を「チームの力」に変える

━━結果的に夏の決勝で負けてしまったことで、当然いろんなこと感じながら新チームがスタートしたのだと思います。今度のチームには今夏の経験をどのように活かしていきたいと考えていますか?
「それはもう、1球の怖さを忘れないということでしょうね。今年の夏は、勝負はたったの一球で決していくということを、あらためて思い知ったわけですから。それは決勝のスリーランホームランの一球もそうだし、途中のストライク・ボールの一球もそう。バントの一球も、エラーの一球もそう。今年の夏に味わった野球の試合の中に潜む“一球の怖さ”を財産として共有し、新チームに活かしていきたいなと思います。ただ、わずか一球で勝負が決まったということは、良い勝負、良い試合だったということでもあります。つまり「良い試合」と一球で試合が決まってしまう怖さは表裏一体なんです。そこが野球というゲームの面白さなのかもしれません。これをみんなが理解したうえでスタートできたことは、非常に大きかったのではないでしょうか」

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