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非公認148キロの逸材は「投・打・守・走」で一級品 山本嘉隆(九州国際大付)

【第156回九州地区高校野球 福岡大会(北部) 2回戦】

〇九州国際大付 13-2 高稜● ※5回コールド

九州国際大付・山本嘉隆が投打ともに高い実力を見せつけた。
この日は5番ピッチャーで先発出場し、投げてはパンチの効いたストレートとカットボールを中心に4回3安打1失点。4四死球と制球に課題を見せるも、公式戦最速となる143キロを記録した。打っては2安打3打点。いずれも相手投手の緩い変化球を引きつけ、強烈なスイング一閃で仕留めている。3回に放ったレフトオーバーの三塁打は、打球音、飛距離ともド迫力の一打だった。

秋までは外野手としての出番が多かった山本だが、湯布院ボーイズ(大分)時代はピッチャー兼キャッチャーとしてプレーした。九州国際大付に進学したのは「野田海人さん(埼玉西武)の存在が大きかった」と山本は言う。
同じく投捕兼任で活躍し、九州国際大付の2022年春夏の甲子園出場に貢献した野田。当時、野田は最速146キロを投げたが、山本も昨秋の練習中に最速148キロを出したことがあるという。
「計測ボールで出したものなので、非公認記録です」と笑うが、そのストレートは常時140キロ周辺を叩く力があるだけに、信ぴょう性が低いとは言い切れない。

外野手としては2年冬に遠投110mを記録した鉄砲肩と、ピッチャーセンスから来る送球の正確性が光る。また、50m走6秒3のタイム以上にスピードを感じさせる脚力で、守備範囲も広い。高校通算アーチは1本のみだが、飛距離も角度も秋から向上気配だ。

「今日もボールの威力を実感できる内容でした。先のことはどうなるかわかりませんが、夏まではこのままピッチャーで勝負したいです。まずは春の九州大会に出て、夏は甲子園へ。できれば高校からプロに進めるように、もっと自分を高めていきたいです」

タレント揃いの九国が、今年もまた一等星を擁している。

山本嘉隆

九州国際大付 投手・外野手
177㌢、75㌔、右投右打
2007年9月11日、大分県宇佐市生まれ
宇佐西部中時代は湯布院ボーイズに所属。最速148キロ(試合最速は143キロ)。球種はストレート、カーブ、スライダー、カットボール、スプリット。50m走6秒8、遠投110m。ベンチ/80㎏、スクワット120㎏。高校通算1本塁打。

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