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【コラム】高校指導者 世代交代進む

県内の高校野球部で指導者の世代交代が進んでいる。4強入りした岡谷南、長野日大、高遠の監督がそれを象徴。次世代をけん引する若手指導者のリーダーは誕生するのか。

初の4強に導いた高遠の高重陽介監督は、同校を率いて6年目の33歳。公共交通が不便な地域校で、駅まで部員をマイカーで送るなど情熱的な指導で部員を増やし、さらに地元有力選手が入部を希望する魅力あるチームづくりを進めてきた。地元トレーナーの起用、実績ある指導者の下でも研修といいものをどん欲に取り入れている。

高重監督の出身校・伊那弥生ヶ丘高時代の同期、飯田OIDE長姫・井口雄弥監督とはこの夏の4回戦で直接対決した。二人の恩師は、赤穂の原登監督。

岡谷南の春原ケンジ監督は昨秋、前任の倉坪知之教諭(現県教委)から監督をバトンタッチされた31歳。厳しい練習で知られる倉坪前監督の下、4年間部長として学んできた。出身の丸子修学館高では3年春にセンバツに出場し4番として本塁打も打ったスラッガーということもあり、打撃に力を入れている。明るい人柄で新たな岡南カラーを生んでいる。

19年に甲子園に初出場した飯山の吉池拓弥監督は、丸子時代の同期。19、20年夏に岡南は2年生続けて飯山に敗れたが、そのときに岡南ベンチで誰よりも声を出していたのが当時の春原部長だった。二人の恩師は、名将竹内政晴監督。

長野日大の松橋将之監督は、コーチからこの4月に監督に就いたばかりの40歳。松代中で監督、創造学園(現松本国際)高でコーチを経て、母校・松商学園高時代の恩師・中原英孝監督(現ウェルネス長野監督)が指揮官だった長野日大でコーチに就いた。松橋監督は非常に厳しい練習姿勢だが、明るさとユーモアのある人柄でメリハリのある指導をしている。

このほか伝統校を連破し初の16強入りを果たした佐久平総合技術の川島竜也監督は、横浜商高出身の37歳。情熱的な指導で、縁もゆかりもない信州から甲子園を目指す。

この夏は8強で敗れたが、初のセンバツに出場した上田西の吉﨑琢朗監督は38歳。19年12月にコーチから監督に就き、大会中止などを経て最初の甲子園のチャンスをものにした。

このほかにも20、30代の監督はじめ指導者が増えている。勝負の世界だけに、その手腕はまず結果で評価されやすい。しかし、置かれている環境は学校によって大きく異なる中、校風や地域の特性を踏まえて一本筋の通ったチームづくりに期待したい。

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