閆(閻)麗夢と陳彥霖—香港からいなくなった2人-(松沢呉一)
「ワクチンの必要性が大幅に落ちる可能性—T細胞による細胞性免疫[下]」と「重要なポイントについては決定的な証拠が出てこない—閆麗夢の主張を検討する」と「陳彥霖の死と情報の隠蔽—10月前半の香港[中]」の続きみたいなものです。
閆麗夢は思い込みの強い人
「「閆麗夢の主張を検討する」のその後—なぜ彼女は言わなくていいことを言ってしまったのか」でまとめたように、閆麗夢については結論が出た感があります。
彼女がああなったのは、思い込みの強い性格によるところも大きそうです。彼女の自信満々の語り口調にもそれが出ています。あれは演技ではないでしょう。
彼女がインタビューの中で「集団免疫は起きない」と断定していた点にもそれを感じました。
これは抗体が短期間で消えることを根拠にしています。たしかに再感染が香港で確認されていて、その後も報告が続いています(それ以前から出ていた話はすべてPCR検査がウイルスの死骸を検知していたためのようです)。
抗体の免疫力は最短で3ヶ月から4ヶ月程度で消える例が出始めるってことですが、あくまで最短の少数例である上に、二度目は無症候のようです。ここには意味がありそうに思います。つまり抗体が消えても症状が出ず、重症化しないのは、細胞性免疫が働いたってことではなかろうか。
そうだとしたら、再感染したとしても問題なしです。むしろ感染し続けた方がいい。
細胞性免疫説についての論文が次々出るようになったのは、亡命して以降ですから、チェックしていなかったのかもしれないですが、閆麗夢は「ウイルスについてはなんでも知っている人」であらんとして、言わんでいいことまで言っているように私には感じられます。立場上そうせざるを得ないのかもしれないですが、それより性格だと見ました。こういう人っていますから。武漢ウイルス研究所による人工ウイルス説もその性格から思い込んでしまったのだと思います。
亡命とその後の生活については、郭文貴らのサポートを受けていますから、もうあのスタンスからは逃れられないでしょう。
※2020年8月25日付「BBC NEWS」 世界初の再感染確認を伝える記事。
陳彥霖の一周忌
香港がらみの話をもうひとつ。
陳彥霖の一周忌ということで、一昨日は追悼が行なわれてました。
これは彼女が通っていたデザイン学校の前です。警察に時間を区切られて、なにも揉めていないのに、取材陣の一部はIDチェックをされていたようです。
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