国家的詐欺を疑わせるシノバック製ワクチンについての論文と香港の言論弾圧—コロナ気分からワクチン気分へ[10]-(松沢呉一)
「健康パスをめぐるフランスやギリシアのプロテスト—コロナ気分からワクチン気分へ[9]」の続きです。
インドネシアは引き続き危機的
「ビバノン」では比較的早くから取り上げていたインドネシアの窮状ですが、在留邦人の死亡者も二桁に達して、パニックと言っていい状態に至り、特別便も出されています。
インドネシアの在留邦人から、「インドネシアで中国製ではないワクチンの接種ができないか」と大使館に打診があったそうですが、できないとのことで、帰国してワクチンを接種するということのようです。
ファイザー製ワクチンでも変異型への感染は防げないながら、重症化は抑えられるとされていますが、インドネシアでは死亡者の増加も著しいため、中国製ではその効果も期待できません。
感染防止のために人の移動は避けた方がいいわけですが、オリンピックをやっているのに、いまさらそんな原則論は無効ですわね。 すべてのルールはもはや無効であって、私もオリンピック選手とセックスでもしてこようかと思いますもん。どうやったらできるか知らん。
インドネシアもタイもマレーシアも中国製ワクチンから方向転換へ
暴れん坊の多いインドネシアですが、完全ロックダウン状態のためか、これに関して政府を追及する目立ったプロテストは起きてません。しかし、フランスを筆頭にワクチン証明書に対するプロテストが起きている国がある一方、オーストラリアのように感染者増大のために再度ロックダウンする国ではそれに反対するプロテストが起きていて、タイでは政府のコロナ対策の失敗に対するプロテストが起きています
。
つっても、これは昨年からの民主化運動の流れであり、ここに来てコロナ感染者と死亡者の急増を受けて、これを政府批判のテーマにしたものでしょう。
2021年7月23日付「worldometers」
タイもまたインドネシア同様、シノバックのワクチンがメインです。しかし、アストラゼネカ製を併用していくことになったようです。
中国製をメインにしてきたマレーシアも今あるワクチンが終わったところで切り替えるようで、中国製離れが着々進んでいます。
中国製ワクチン(シノバック)の決定的欠陥を指摘する論文
中国政府をまるで信用していない私ですから、中国製ワクチンも信用できないですが、ちょっと気になることがあります。これだけ接種した人が増えているのに、中国製ワクチンの決定的な欠陥を明らかにするデータがこれまで見つからなかったのです。
むしろインドネシアやタイでは、ファイザーなどと比較して効果は落ちるのは事実としても、安全性は変わらず、接種しないよりした方がいいといった記事ばかりでした。
なのになぜ方向転換をしたのか。国民の中国製への不信感が強まって接種が進まないのであればそれも十分な理由ですけど、なんかすっきりしない。
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