地中海沿岸・カリフォルニア・シベリアの森林が今も燃えている—フレッド・グテル著『人類が絶滅する6のシナリオ』より[付録]-(松沢呉一)
「フレッド・グテル著『人類が絶滅する6のシナリオ』より」の前振りとして世界の山火事をまとめておこうとしたら、長くなってしまったので、「付録」にしました。山火事単体で見ても、すでにティッピングポイント超えではなかろうか。
トルコでは山火事と洪水
トルコは南部で山火事と思っていたら、北部は洪水。
洪水の多い地域ではあって、7月にも起きていますが、今回は例年にない規模。
地中海沿岸の山火事はアルジェリアにも拡大
一連の地中海沿岸の山火事はアルジェリアにも拡大しています。
この段階では死者42名になってますが、すでに60名を超えていて、負傷者多数。これを見てもわかるように民家の近くで燃えていて、なおかつ複数の山火事が起きてます。
消防や軍の死亡者も多いことから、現場は相当に危険であることがわかります。カメラもそこまでは近づけないのでしょうが、辺り一帯火の海なので、熱風が起きて、酸欠にもなりやすいのだろうと推測します。
同時多発であることを根拠に、アルジェリア政府は何者かによって放火されたとしています。各国とも原因(落雷などの自然現象か、人為的なものか)を見定めるのは難しく、イタリアでは農民が牧草地を焼く火が拡大したものが確認されていますが、イタリアでは今年800件の山火事が起きていて、原因が判明しているのはそのごく一部。同時多発ってだけで放火と決めつけることはできそうにない。
同時多発はトルコやギリシアの山火事でも起きていることです。キャンプの焚き火やタバコの火の不始末だとしても、あるいは放火だとしても、今まではこうも広がらなかったのですから、なにかしら今までとは違う条件が揃っていることが推測できます。
シチリア島では48.8度の気温を記録
はっきりしているのは高温と乾燥です。異常な高温はギリシアだけでなく、山火事が起きているイタリアのシチリア島では11日に48.8度の気温を記録。ヨーロッパの観測史上最高。山火事の影響もあるのでしょうか。
以下はほぼ今現在に近い状態。
私もやっとわかってきましたが、山火事自体はどこの国でも頻繁に起きていて、地中海沿岸でも同様なのですが、通常はこうも広がらないし、同時多発ってことはなかなかない。
トルコもギリシアもまだ燃えていて、前からの山火事が続いているだけでなく、次から次と新しく火が出ているようです。
カリフォルニアでは山火事で500軒以上の民家が燃える
カリフォルニアも燃え続けてます。
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