日本にいるロシア人の数は少ないのにYouTuberは多い理由—ロシア人YouTuberの人気[1]-(松沢呉一)
みんな大好きロシア人YouTuber
プチ新年会で、「どんなYouTuberの番組を観ているか」という話になって、福田君もにせぽよも私も在日ロシア人YouTuberの番組を観ていることがわかりました。
ロシアと言えば、ウクライナ侵攻が緊迫してきています。ロシア人の中には、また、ウクライナ人の中にも、これを支持する人たちがいますが、日本にいるロシア人YouTuberのほとんどはこれに反対だと思われますので、そのことを説明しておきます。
福田君がよく見ているYouTuberはあしや(明砂)さんです。私はそんなに熱心に観ているわけではないですが、それでもたまには観てますから、代表的ロシア人YouTuberと言っていいでしょう。
福田君はとくにお母さんが来日した時の番組が好きだったそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=q_Kk8wJCV7o
私もこれは観てました。この回は200万再生回数を超えてます。かまいたちチャンネルなみの人気。どすこい。
人気のあるロシア人YouTuberはこの人だけではありません。そこが不思議なんですよね。
新宿2丁目でロシア人のゲイと出会ったことはありません。いないわけではないでしょうけど、数は少ない。SMイベントにロシア人のマゾが参加していたという話も聞きません。いないわけではないでしょうが、数は少ない。
在留ロシア人はたったの1,200人しかいない。出会うことがないのは当然です。
中国人は78万人、韓国人43万人、ベトナム人42万人、フィリピン人28万人、ブラジル人21万人、ネパール人9万人、インドネシア人6万人、台湾人、米国人、タイ人5万人に比べると、いかに少ないかわかりましょう(以上、出入国在留管理庁の数字。千人以下は省略)。中国人800人、韓国人やベトナム人400人、台湾人や米国人、タイ人50人と出会って、ロシア人はやっと1人出会えるくらいの数。私はネパール人とやたらと会いますが、ロシア人はその80分の1くらいしかいない。
なのにYouTubeにはロシア人がいっぱい。在日ロシア人のYouTuber率が高いとしか思えない。
ロシア人YouTuberが多い理由
そもそもなぜ日本に来ているロシア人は少ないのか。にもかかわらず、なぜロシア人YouTuberは多く、なおかつ人気があるのか。
その理由はあしやさんが間接的に説明してくれてます。
ロシア人は国を出たい人が多いのです。国外に出たい率が高い18歳から24歳では、53パーセントが移住を希望。これは「一時的に国外で暮らしたい」「留学したい」という数字ではなく、移住を希望する人の数字です。年齢が高くなるに連れて希望者の率は落ちますが、若い世代の半数以上は外に出たいと考えているのは驚くべきです。多くのロシア人はヨーロッパや米国に向かうため、日本に来ているのはそのうちのほんの一部。
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