松沢呉一のビバノン・ライフ

永住権と帰化/国と民族—ロシア人YouTuberの人気[2]-(松沢呉一)

日本にいるロシア人の数は少ないのにYouTuberは多い理由—ロシア人YouTuberの人気[1]」の続きです。

 

帰化したロシア人

 

vivanon_sentenceロシア人で日本に帰化するのは、年間わずか50名程度ですが、あしやさんの周りにはすでに帰化したロシア人がいます。

 

 

リサ(鈴桜)さんは、あしやさんとえりあしというコンビをやっている友人です。最近、帰化申請が通って日本人になりました。

選挙権は帰化しないと原則得られないので、 帰化することで得られる決定的な権利ではありますが、永住権を得られれば帰化までしなくても過不足なく生活できます。むしろ帰化すると、ロシアに帰郷する際にビザを取得しなければならないなどの不便も増えるのですが、永住権をとるよりも帰化した方が手続きが早いんですね。帰化は5年以上日本で生活していることが条件、永住権は10年なのです。知らなかった。これもあしやさんのチャンネルで知りました。こういうことまで丁寧に説明してくれているのが彼女の信頼できるところです。

結婚すると自動的に帰化するわけではなくて、帰化しやすくなるだけですけど、この中で説明されているように、帰化申請中に結婚すると、手続きが面倒になるなんてことも知らなかったです。

 

 

あしやさんが帰化していない理由

 

vivanon_sentence彼女自身、帰化する気はあるのですが、まだ条件が揃わない。

 

 

十分な貯金が必要なのか。たしかに日本で生まれ育った人よりも、経済的に不利になるケースがあり得るので、日本人になっても経済的に困窮し、母国にも戻りにくいという状態になることを考慮してのことだろうと思います。

日本だったら、母国に残る親族が反対しそうですが、ロシアの場合は家族も賛成しそうです。少なくとも理解はしてくれそう。

彼女もいずれは帰化するのでしょうけど、その覚悟があって日本に来ていれば、日本語を一所懸命学びます。読み書きまでができないと帰化申請は通らない。日本の大学を出ていればほとんどの場合は読み書きはできましょうけど、小学生が知っている漢字は書けなければならないので、改めて勉強するみたいです。

日本の人や文化、ルールについても調べ、理解しようとします。

 

 

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