松沢呉一のビバノン・ライフ

ハワイ・マウイ島が全焼の危機—地球沸騰の時代を実感しないではいられない-(松沢呉一)

ハワイ・マウイ島の山火事

 

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今年は熱中症の死者数で記録達成か—ヨーロッパでは昨年6万人以上が熱中症で死亡」で熱中症を取り上げましたが、言うまでもなくその背景にあるのは気候変動です。そのことにも触れたかったのですが、「仁藤夢乃の発言は信用できない」シリーズが長引いていたので、その余裕がありませんでした。

もうどうにもならないので、気候変動については「ビバノン」では取り上げなくなってますが、国連のグテーレス事務総長は「地球沸騰の時代に突入した」と声明を出しているくらいで、今年の山火事、洪水、熱波は今までとは一味違いますので、たまには触れておきます。

ハワイのマウイ島は全滅しかねない。

 

 

山火事は一か所ではなく三ヶ所で発生。火が飛んだのか、それぞれ独立したものなのか不明。

住民や観光客は山火事に追われて海に逃げているというので、島は海に逃げられて安全と思ってしまったのですが、砂浜は一部だけで、あとは崖っぷちから飛び込むような状態。一般に山火事は逃げられるので、動けない病人や老人以外は死ににくいのですが、こりゃ死にますわ。島の山火事は怖い。

今年は熱中症の死者数で記録達成か—ヨーロッパでは昨年6万人以上が熱中症で死亡」に書いたように、暑さのため、バイトがきついのですが、マウイ島に比べればはるかにマシと思って頑張ることにします。

 

 

もっとも被害が大きいのは間違いなく中国

 

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もうどうにもならないと人類の未来を諦めてはいながらも、気候変動については気になるので、報道はチェックし続けています。

ずっと指摘していたように、国外の報道では自然災害を伝える際に、いちいち気候変動だの温暖化だのと結びつけるのに対して、日本国内ではただの災害として扱う傾向がありました。国内でも、台風はいつものことで済ませてしまいますが、台風も異常になってます。

しかし、最近の報道は国外なみになってきていて、気候変動についての特集も増えているように思え、ティッピングポイントについても触れていることがあります。さすがにもう無視しようがなくなったか。

昨日の報道。

 

 

竜巻も局地的かつ一時的な現象であり、逃げることもできるので、通常、あんまり人は死なないのですけど、最近死者が出ることが多いのは、それだけ数が増え、規模が大きくなっているためか。

気候変動ではなく、「異常気象」と言ってますが、これだけ並べれば世界的に異変の中にいることがイヤでも伝わります。

つってもここで取り上げているのはほんの一部で、ロシア人が多数逃げ込んだジュージアでも洪水によって10人以上が死亡。アフガニスタンやブータンでも10人以上死亡。先月は韓国でも30人以上死亡。

10人以上死ぬと大きな洪水と認定するようにしているのですが、どこより被害が大きいのは、上の動画の後半に出てくる中国です。

 

 

死者数からは見えてこない中国の危機

 

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中国の洪水は恒例行事ですが、今年はとくにひどい。6月初頭から安徽省と河南省、四川省、雲南省で洪水があり、この段階で10人以上が死亡したと公表されています。災害で人が死なないお約束の中国としてはこれでも十分大きい数字です。

この時の特徴は地すべりの被害が大きかったことです。中国の水害は、無計画な山の切り崩しや治水の失敗によるところが大きいのですが、それによって毎年農作物の被害が大きく、政府は農地を増やすように各省に命令、さらに山を切り開いて農地にした結果、山の保水能力がまた落ちて、各地で地すべりを起こした模様。人災です。

 

 

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