松沢呉一のビバノン・ライフ

「週刊文春」の「セックス上納システム」路線はネタが無尽蔵—裁判を前に松本人志終了が決定するまでを振り返る[中編]-(松沢呉一)

ビートたけしのエピソードと比較する—裁判を前に松本人志終了が決定するまでを振り返る[前編]」の続きです。

 

 

テーマは「セックス上納システム」に

 

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今回も、ここまで起きたことをなぞっているだけですけど、私の当初の読みがあっさり外れた過程は相当に面白いので、共に味わってください。

吉本興業は「当該事実は一切ない」、松本人志は「事実無根」としたことで、「週刊文春」の記者、編集者、デスク、編集者は揃って勢いづいたでしょう。その言い分こそ、その場限りのものでしかないことは彼らが一番よくわかっていますから、「シリーズは第10弾までいけるぞ」と確信したことが想像できます。

「飲み会はあった。流れでセックスになっただけ」「飲み会はあったが、セックスが前提になっていることは相手も最初から合意していた」みたいなことを言っていたら、「週刊文春」はそれを覆す証言なり証拠なりを出し続ける必要がありましたが、吉本興業や松本人志のおかげで、最初からヤル気満々だったヤリマンの証言でも、彼らのすっとぼけが嘯であることを裏付ける意味を持ちます。

私の知ってる範囲でも、ホテルではないですが、若手芸人の合コンに参加したことのある女子が何人かいます。その流れでセックスまでしたのもいます。ヤル気満々タイプです。前回書いたように、これ自体はどちらもとやかく言われるべきではないです。

私の知っている範囲で松本人志とセックスしたのはいないと思いますが、「秘密厳守なので、誰にも言っちゃダメだよ」と言いつつ、「松ちゃんのチンコはちっちゃいの」と皆に吹聴しているのもどこかにはいそうです。そういうタイプの出番が到来です。

「週刊文春」の第二弾では、そういう流れができつつあって、もはや「合意があったか否や」はどうでもよくて、松本人志への「セックス上納システム」が主題になってきてます。

「私も松本人志とセックスしました」ってだけで、「事実無根」への反証としての価値を持ち、「セックス上納システム」の裏付けであり、この際、松本人志以外の吉本芸人とセックスしただけでも、清廉潔白ぶる吉本興業に対抗する有効なコマになりそうです。「週刊文春」のネタは夏までストックを確保できるべ。

 

松本人志の活動停止

 

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しかし、「週刊文春」の第二弾発売前に、慌ただしく事態が進みます。

まず、吉本興業から、松本人志の活動休止のお知らせ

 

 

ワイドナショー」の出演は、松本人志の独断で決定していたものだったようで、フジテレビは出演を否定。今までだったら、松本人志の言いなりだったろうテレビ局が手のひら返し。

 

 

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