松沢呉一のビバノン・ライフ

韓国軍とアンミカと吉本興業とレコード大賞の共通点—年末年始の楽しみ-(松沢呉一)

 

吉本興業はすぐさま訴えるべし

 

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クリスマスは「最強どん兵衛」の値段チェックをしましたが、3日前に、まいばすけっとに行ったついでに「最強どん兵衛」の値段を見たら、239円でした。とくに安売りをしていたわけではなく、なのに希望小売価格を大きく下回っているので、やっぱり売れてなさそうです。

同じ日に、ローソンで、ホロライブとコラボした明治のチョコが189円で売られてました。希望小売価格698円ですから、投げ売りです。8月から9月にかけてやっていたキャンペーンですが、以前から投げ売りされていました。もとがメチャ高くて、マニア向けの商品であり、買う人が買ったら残りは価値はなし。通常商品の価格は248円なので、それを考えても安いですが、それでも売れない。私も買わない。

この時、おばちゃんが「週刊文春」だけをレジに持っていくのを見ました。たぶん松本人志のアレ目当てですね。「週刊文春」はバカ売れでしょう。「週刊文春」は間違いなくネタを温存していますし、タレコミも殺到してましょうから、当面続くで。スピードワゴン小沢一敬では留まらないでしょう。

以前から言っているように、こういう話は審判員がいて、ルールが厳密に定まっていて、試合の過程や結果が公開される法廷で決着をつけて欲しい。公的な場でのバトルですから、メディアは扱いやすく、観客も冷静に判断しやすい。

吉本興業も「法的措置を検討していく」と発表していますから、とっとと訴訟することを吉本興業に要求したい。「当該事実は一切なく」と言ってますので、「週刊文春」の続報を待つ必要はなく、すぐさま訴えるべし。

 

 

「週刊文春」は裏とりを済ませてましょうし、証言者は複数いるので、内容に真実味がありそうに思えますが、これについての私の感想は、両者の主張が法廷で明らかになってからにします。

内容に踏み込まず、もう少し書いておきます。

 

 

事実より組織防衛を優先することの問題

 

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韓国軍内の性虐待と隠蔽工作にネット民が激怒し、38名の軍関係者が起訴や懲戒処分に—戦争における「許容されるべき差別」[後編]」をまとめながら思ったのですが、組織防衛を優先させると、組織に甚大なダメージをもたらします。

イ・イエラムの訴えを適切に処理していれば、上官のチャン・ドンフンを軍事裁判にかけて済んだのです。たった一人を処分し、その結果だけ公開すれば、「よくある軍内の不祥事」のひとつとして、マスコミも大きく取り上げることはなかったでしょう。そもそも軍事裁判を公表しなければならない規則はないのかもしれず、だとしたら軍内で処理されて終わり。

しかし、現実には、組織的な隠蔽工作をし、恫喝、脅迫、名誉毀損でイ・イエラムとその恋人を攻撃しました。それがもたらしたのは、2名の自殺、38名の起訴または懲戒処分、空軍参謀総長の辞任、文在寅政権への批判、軍の信頼の失墜でした。たった一人の処分を避けるために途方もない犠牲を払うことになりました。

軍隊はとくに閉鎖的で、組織防衛の意識が強いでしょうが、どんな団体でも多かれ少なかれ、そのような意識が生じます。個人だってそうです。事を小さく収めようとすることまではいいとして、その意識が事実を上回ってはいけない。それをやると、今度は嘘をついたことの責任が問われます。アンミカがそうなりつつあります。

吉本興業もそれをやらかしたのではなかろうか。「当該事実は一切なく」とした以上、そのような集まりさえなかったということでしょうが、残されている記録を全否定するのは困難だと思います。それまでが捏造であるということであるなら、とっとと訴えよ。

 

 

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