希望はどこに?—アレクセイ・ナワルニー(ナワリヌイ)の死[続報]-(松沢呉一)
「アレクセイ・ナワルニー(ナワリヌイ)の死—Wikipediaに勝てなかったロシアの国家プロジェクト「ズナニエ」」の続きです。
プッシー・ライオットも抗議デモ
各国のナワルニー追悼行動の様子をずっと観てます。
以下はベルリンのプッシー・ライオット。
ナディアはNYにいたはずで、プッシー・ライオットの他のメンバーはジョージアかと思ってましたが、今はベルリンにいるのが多いのかな。
ロシア語はだいたいスペル通りに読めばいいのですが、、Нава́льныйは後ろの方が難しい。ロシア人は「ナワリヌイ」と言っているのかもしれないですが、「ナワルニー」に聞こえます。ロシア以外では、Navalnyと表記されていて、「ナワルニー」または、「ナヴァルニー」と読んでます。
つうことで、私は「ナワルニー」を採用したのですが、いつの間にやら日本語では「ナワリヌイ」で定着し、ナワルニー派の私はちょっと居心地が悪いです。でも、引き続き「ナワルニー」で行きます。
ロシア正教会の神父まで拘束された
ベルリンでは数千人単位でデモが行われ、ヨーロッパ各国同様なのですが、ロシアでは、ナワルニーを公然と追悼するだけで続々拘束されており、400人以上が拘束され、ロシア正教会の神父まで拘束されたそうです。ロシア正教会はプーチンの支持母体であり、純粋に死を悼むために来たのでしょうが、それでも許さない。
これで罪に問われるのでなく、1日か2日で釈放されるので、逮捕ではなく、拘束だと思いますが、身元を調べられるので、札付きになります。それでも、各地で献花が続き、当局が花を撤去しても、すぐに人々がやってきて献花をするバトルが各地で展開されています。
一方で関心がない人がいるのは当然。ロシアでは政治や社会問題に関心を持たないことが賢い生き方であることは以前から指摘されていたことです。無関心でいながら、それでも強い国家を望むのが大半のロシア国民です。
プーチンでさえも、大統領就任当初は民主的な国にするかのようなことを言っていたのは、ポーズに過ぎなかったのかもしれないですが、権力を持つとより大きな権力を欲する定番の変質にも見え、それを支持したのは国民です。
独裁者を生み出すのはしばしば国民です。
ロシアの不気味さ
死因についても二転三転しています。
国営メディアのRTが「死因は血栓」と発表したのは何の根拠もなかったようです。遺体はすでに刑務所から運び出され、現在どこにあるのかもわからず、真っ当な検死もなされそうにない。
このことから考えて、「殺された」と見られても仕方がない。それが嫌なら、遺体を遺族に返せ。
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