アレクセイ・ナワルニー(ナワリヌイ)の死—Wikipediaに勝てなかったロシアの国家プロジェクト「ズナニエ」-(松沢呉一)
ナワルニーは殺された?
アレクセイ・ナワルニー(ナワリヌイ)が死亡。
政府筋の情報によると、死因は血栓とのことですが、ゼレンスキー・ウクライナ大統領やナワルニーのスタッフを筆頭に、多くの人が「(プーチンに)殺された」と言ってます。
大統領選を前に、獄中から、プーチンに投票しないように呼びかけていたので、目障りだったのだろうとも思うのですが、当然「プーチンに殺された」という見方をされるだろうに、このタイミングで殺しますかね。反戦派の候補予定者だったナデジディンの出馬には難癖つけて、ほぼ不可能に追い込んで、プーチン圧勝は確定と言われていますし。
しかし、それで言ったら、ナデジディンが出馬したところで不正選挙をすればいいだけですし、ロシア国民は現にプーチンを支持しているのが多いですから、不正をしなくても勝てたでしょう。どちらにしても、ナデジディンを出馬できないようにする必要はなかったはずですが、それでも潰したのは、一切のノイズなく国民に圧倒的に支持されたと見せたかったのか、自分に反対する人間は力で潰さないではいられないのか。独裁者のやることはわからんよ。
すぐさまヨーロッパ各所で抗議行動
場合によっては、反プーチン機運が高まる可能性もありますが、検索しても、ロシア国内では、献花をする人たちがいるくらいで、行動の呼びかけができる民主活動家もメディアももう残っていないのかもしれない。
しかし、ヨーロッパ各地で、国外脱出したロシア人たちを中心に、死が伝えられた数時間後から、追悼集会やロシア大使館への抗議が行われています。
ここでも多くの人たちが「殺された」と表現していて、直接殺したわけではないとしても、殺されたと言っていいでしょう。プーチンを「人殺し」と罵倒しても、「その通り」って感じにしかならないですが。
表現の自由と『ネトゲ戦記』
ロシア国内でどう報じたのか見てみたのですが、軽く触れているだけです。
もっとも詳しいロシア語の報道はご存知「メデューザ」です。詳しいと言っても、真相はわからないわけですが、情報を細かく拾い集めていて、各メディアのジャーナリストには「これ以上封じるな」との圧力がかかっているそうです。こういうことすっから怪しまれます。しかし、それに反発する国内メディアはもう存在しないかと思います。
表現の自由、報道の自由の重要性を改めて実感します。松本人志の件でも、「週刊文春」は金のためにやっていると松本人志擁護派が言っているようですが、「金のためだけに、事実無根の記事を書いている」と批判するのはいいとして、ここでは事実無根であることを説明することが必須であって、事実である限り、金を儲けても問題なし。YouTubeに広告をつけても、Xで金を得ても問題なし。さもないと、表現の自由、報道の自由は維持されない。
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