被害者がバカだからって罪は軽くならない—日本と中国「頂き女子」比較[後編]-(松沢呉一)
「27歳に貢いだ21歳の男と23歳に貢いだ50代の男の違い—日本と中国「頂き女子」比較[中編]」の続きです。
渡邊真衣が極悪詐欺師であることは揺らがない
和久井学容疑者は殺人容疑にもかかわらず、同情を集めております。私も少しは同情しますが、51歳ですよ。どうしても、「バカじゃねえの」って気持ちが先立ちます。しかも、相手は(元)キャバ嬢ですよ。金が目当てだと疑わないか? 当然キャバ嬢だって、金抜きのが関係ありましょうが、そういう相手から金を引っ張らんべ。ケースバイケースではありますが。
で、被害者は詐欺師呼ばわりされていますが、今出ている情報だけでは詐欺とまでは言えないような。
同じく、被害者が50代にもなって分別がつかず、渡邊真衣のようなバカっ子に騙されることにもあまり同情はしないですが、被害者に同情ができなくても、渡邊真衣が悪質な詐欺師であることには疑いがありません。むしろ「バカだなあ」と被害者に呆れるがゆえに、渡邊真衣は悪質とも言えます。判断能力が乏しい男を狙っているのですから、老人を狙う特殊詐欺師と近いのです。老人を狙う特殊詐欺は心底卑劣であるように、渡邊真衣は卑劣です。
しかも、その手法を公開して累犯者を生んだ悪辣さ。恋愛関係だったとの言い分がギリギリ成立しそうな中国のタン・ジューとはまったく違います。成立してなかったかもしれないですが、それを立証することは困難。
渡邊真衣が巻き上げた金額は3名から1億5千万円以上。被害届が出されていない分がさらにありそうです。詐欺罪の軽重は、金額に左右されますから、渡邊真衣の犯行が相当に重いことはすでに述べた通り。
先日、愛知県豊田市で、ロマンス詐欺の疑いで、フィリピン国籍の女が逮捕されました。
これなんざ、被害者は一人で、金額は50万円。渡邊真衣の300分の1です。それでも実刑を食らっていいでしょう。
なのに渡邊真衣を被害者扱いするおバカさんたちがいっぱいいるようです。まして、詐欺に至っていないタン・ジューは中国社会の犠牲者に見えるんだべな。
✳︎2024年5月5日付「NetEase」 タン・ジュー経営の花屋。営業ができる状態ではないようです。路面店ではなさそうで、たいした売上は得られず、派手な生活をするためには、パンマオが必要だったのか。なお、張り紙は「逃げていい」と彼女にアドバイスするように装った脅しかと思うのですが、よくわからん。
タン・ジューは男尊女卑の犠牲者か?
中国は制度上、男女同権は進んでおり、役所のお偉いさんが女性であることは珍しくないどころか当たり前。中国共産党は老人になっても引退せずに居座るので、幹部には旧世代の男が多いですが、その下の世代では女性党員も多いはずです。
しかし、男尊女卑の考えは根強くて、家を継ぐのは男子。そのことが一人っ子政策期間に男女の不均衡を生んでいて(産み分けの結果だけでなく、一人っ子の例外規定を使って、男児が生まれるまで子どもを作るため)、その不均衡が結婚、恋愛における力の偏在になってます。
デート代は全額男持ち。そのたび、高額なプレゼントをするのは当然。男が女に現金を渡すのも普通のこと。恋愛や結婚のための投資です。
頭に糞をつけたタイプのフェミニストからすると、中国でも女はすべて男尊女卑の被害者ですから、タン・ジューがパンマオから金を巻き上げたのは当然。1千万円強の年収の9割を巻き上げるのも当然。加害者が自殺したって心を痛める必要はない。
これでタン・ジューが「私は子どもの頃から父に暴力を振るわれていました」と告白したり、パンマオから巻き上げた金を別の男に渡していたことが明らかになれば完璧な「性搾取の犠牲者」です。
なんてバカなことを言っている中国版糞フェミを見つけておらず、タン・ジューは思い切り叩かれていて、パンマオは自殺してしまったので、しゃあないかなとは思うのだけれど、ほどほどにしとけとの思いもあります。
✳︎2度目の謝罪動画で泣き崩れたタン・ジュー
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