松沢呉一のビバノン・ライフ

収入のほとんどを「恋人」に貢いでいた21歳のパンマオ君が自殺—日本と中国「頂き女子」比較[前編]-(松沢呉一)

 

「頂き女子」で中国は大騒ぎ

 

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以下は法輪功系メディアです。

 

 

そりゃ、男の数が女よりずっと多い中国では、男を弄んで貢がせる女が出てきますわね。

中国での報道を加えてざっとまとめておきます。2003年生まれで21歳のパンマオ(胖猫)はゲームプレイヤーとして生計を立てていました。胖猫はゲーマー名で、「デブ猫」という意味。女性経験はあまりなかったようです。というプロフィールからすると、チー牛のような人物をイメージしそうですが、現実の彼は身長178センチで痩せていて、相当にいい男です。

2022年、パンマオはネットゲームで知り合った1997年生まれで27歳のタン・ジュー(谭竹)とつき合いだします(動画では「タンチク」となってますが、これは日本語読み)。彼女は花屋を経営。

パンマオは湖南省に住んでいて、タン・ジューは重慶市在住。移動に半日かかりますから、デートもままならず(交際期間に会ったのは2回だけでした)、やがて彼女はことあるごとに金を無心するようになり、パンマオは請われるまま、金を渡してました。

彼女に金を渡すため、休みなく1日14時間から16時間働き、年収50万元(日本円で1千万円強)ほどありましたが、少しでも彼女に喜んでもらおうと、千元台の家賃の安いアパート(2万円から3万円)に住み、インスタントラーメンを食べ、1食50元(200円強)程度のデリバリーを頼んでました。

パンマオはタン・ジューと同棲する約束を取りつけます。パンマオはその気になって重慶に行って同棲を迫りますが、タン・ジューは「別のところに住んで欲しい」と言い、パンマオは重慶の別のアパートに引っ越します。近くに住めるだけでも嬉しかったのでしょう。

ところが、タン・ジューは別れ話を持ち出しました。パンマオは受け入れますが、どうしても忘れがたく、復縁を迫ります。

タン・ジューは冷たく突き放し、パンマオは残った貯金6万6千元を彼女の口座に全額振り込んで、4月11日、重慶の長江橋から飛び降りました。

✳︎2024年5月6日付「中国報」 この写真では顔がわかりにくいですが、モテそうな美形です。

 

 

タン・ジューの謝罪動画が炎上

 

vivanon_sentenceこのことを知っていたのはパンマオとタン・ジューだけ。タン・ジューはこのことを公開しなかったのですが、パンマオの姉と妹が遺品を整理していて、通信記録から、この経緯を知ります。タン・ジューは他に男がいたようで、パンマオがそのことを知ったことで鬱状態にもなり、これが自殺につながったようです。

これらのことを姉妹はネットに公開します。

ネットの批判が高まって、タン・ジューは謝罪文を発表し、パンマオとの関係は金目当てではなく、恋愛関係であったと弁明。

それでも批判はやまず、動画も発表し(ここに出したSSはそこから)、自分の考えを改めて説明して謝罪するとともに、誹謗中傷には法的手段をとると宣言。

この内容のみならず、この時の服装も叩かれて、タン・ジューは再度謝罪動画を出し、そこで彼女は泣き崩れています。

 

 

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