ネビル・ロイ・シンガム、ジョディ・エヴァンス、SID4P、コードピンクに要注意—反イスラエル運動の背後にちらつく怪しい人脈[後編]-(松沢呉一)
「コスプレーヤー潰しを狙う中国共産党—反イスラエル運動の背後にちらつく怪しい人脈[前編]」の続きです。
中国共産党とのつながりを明らかにしたNCRIの報告書
反イスラエルの運動の背後には中国共産党が背後にいるとの話がちらほら出てきます。
先々週だったか、逮捕者の中に中国共産党員の中国人がいたことが写真付きで報じられていたのを見た段階では「在米中国人の中にも一定数の党員がいるだろうから、これだけではわからんな」と思っていたのですが、NCRI(Network Contagion Research Institute)という団体が「Contagious Disruption: How CCP Influence and Radical Ideologies Threaten Critical Infrastructure and Campuses Across the United States 」(伝播する破壊: 中国共産党の影響力と過激なイデオロギーが米国全土の重要なインフラとキャンパスをどのように脅かしているか)を発表し、これを読むと、中国の影響を認めざるを得ません。
NCRIという団体は初耳ですが、今回のような国際情勢に関する報告書をこれまでにも出していて、国連、米政府、アムネスティなどが同団体の過去の報告書を引用していることから、信頼できる内容であろうことがわかります。
それらの報告書のテーマや同団体のメンバーのプロフィールを見ると、おそらくユダヤ系団体、少なくとも親ユダヤの団体だろうと推測できます。今回の報告書もその立場からのアプローチでしょう。
そのバイアスがかかっているかもしれないですが、内容が正しければ問題なし。
SID4Pとネビル・ロイ・シンガム
同報告書は、昨年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃の日を契機にして活動をスタートさせた「シャット・イット・ダウン・フォー・パレスチナ(SID4P)」という運動体にスポットを当てています。同団体は反イスラエルの行動を主導し、ここに参加しているのは主として7団体。
1. The People’s Forum
2. ANSWER Coalition
3. International People’s Assembly (IPA)
4. Al-Awda NY
5. National Students for Justice in Palestine (NSJP)
6. Palestinian Youth Movement (PYM)
7. Palestinian American Community Center NJ (PACC)
これらの団体はただ反戦を掲げているのでなく、People’s Forum、IPA、ANSWER Coalitionの3団体は親パレスチナの団体で、 さらに親中国共産党です。
これらの団体をつなげるのがネビル・ロイ・シンガムという人物です。彼は1954年生まれのIT実業家。IT コンサルティング会社Thoughtworksの創設者で、この会社を7億8,500万ドルで売却し、ファーウェイのコンサルタントをやっていたこともあり、現在は上海に住んでいます。
もともと熱心な毛沢東主義者であり、米国の左翼団体に多額の寄付をして上記3団体にも資金援助をしています。
(残り 1838文字/全文: 3360文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ