松沢呉一のビバノン・ライフ

ミン・ヒジンとNewJeansがもたらしたK-POP事務所の株価暴落—韓国のポップスに浸ってみた(9)-(松沢呉一)

もっとも早くから日本で開催されてきた「KMF(韓国ミュージックフェスティバル)」も今年で終了—韓国のポップスに浸ってみた(8)」の続きです。

 

 

UBIソフト並みに危機に瀕する韓国芸能事務所

 

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UBIソフトの株価をチェクするするのが日課になるとともに、ついでに韓国企業を見て驚きました。

HYBEの惨状。

 

Google Financeより

 

UBIソフトより危機的と見ていいかもしれない。

ミン・ヒジンとNewJeansからの攻撃がダメージになっているのだろうと思うわけですが、HYBEと並んで韓国を代表する芸能事務所SMエンタテインメント、JYPエンターテインメント、YGエンターテインメントは、全部似たようなものです(「エンタテインメント」「エンターテインメント」との表記の違いは各社の日本語表記に基づいてます)。

中でも落ちが激しいのはJYPです。テンセントが乗り出しそうですが、おそらく中国からの投資はすでに受けてましょうし、K-POP全体の未来が暗いのに買収するほどバカではないでしょう。中国企業が何を考えているかわからんけど。

つまりは、K-POPアイドルの凋落が株価に反映されているのであって、ミン・ヒジンがそのわかりやすい契機を作り出しているだけでしょう。

K-POPアイドルは韓国のテレビから排除され、そうは金を使えない中高生向けの商売になり、音源の売り上げは低下。その上、不正操作、性犯罪、薬物、脱税、イジメ、自殺、不当労働の巣窟であることが次々と明らかになって、「K-POPは人権侵害で成立している」とまで大手メディアに書かれる始末。

また、私がよく言っている「同じような顔をしたグループが同じように踊って同じような歌を歌っている」という評価は韓国でこそ言われていることであり、「工業製品」ともよく揶揄されてます。そりゃ飽きられるって。

かと言って、ミン・ヒジンとNewJeansの告発が無関係ではなく、HYBEのみならず、K-POP全体のイメージを落としたように見えます。

ハニがYouTubeの生中継で語ったイジメ問題が大きくなって、国会で証言するとの話もあるようです。HYBEとミン・ヒジンの対立が直接のテーマではなく、芸能界に蔓延し、しばしば自殺の原因にもなるイジメ問題がテーマで、職場環境をテーマとする委員会の召喚です。

HYBEの幹部も呼ばれるようで、HYBE側は反論するでしょうし、名誉毀損でハニを訴えるかもしれない。すべてはハニが受け取った印象であって、その証拠なんて何もないでしょうから、ハニは不利ですし、何より芸能活動ではないことで疲弊するのは避けるべきだったと思います。

もう手遅れですが、「やはり、K-POPではイジメが恒常化しているんだ」ととらえられたでしょう。

 

 

ミン・ヒジンがもたらした芸能界全体へのダメージ

 

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「ミン・ヒジン=NewJeansとHYBEの対立について、韓国の世論は二分されています。

業界で絶大な力を持つHYBEに言いなりのメディアもありますし、HYBE所属のタレントのファンは、自分たちのHYBEを貶める裏切り者としてミン・ヒジンをとらえていて、NewJeansが表に出たことで、彼女らもターゲットになってます。

熱しやすく冷めやすい韓国では、一部を除いて、「いつまでやってんだ」という空気になっているようにも感じます。そもそも大人世代にとってアイドルは興味の対象外ですから、関心が持続しない。

 

 

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