松沢呉一のビバノン・ライフ

京都・嵐山の「京都で最も美しいカフェ」こと「玩主一高 嵐翠珈琲」の問題はどこにあるのか[前編]—法的にはほぼ問題なしだが-(松沢呉一)

このところ、中国ネタは「移住する中国人たち」というカテゴリーに入れてましたが、ここから外れる中国ネタを拾いにくいので、外しました。

 

 

「京都で最も美しいカフェ」こと「玩主一高 嵐翠珈琲」が炎上

 

vivanon_sentenceUBIソフトとK-POPばっかりになってしまって、それ以外が押しやられています。そのため、「取り上げよう」と思いながら、後回しにしていたものがあって、ただの流行りのネタだったら、そのまま闇に葬っていいのですが、その範囲に留まらない内容を含むものは、取り上げておきたい。

これがそのひとつ。

 

 

それ以前からインターネットでは大いに話題になっていた京都・嵐山の「京都で最も美しいカフェ」こと「玩主一高 嵐翠珈琲」です。

問題は冷凍のスパゲッティやピザを電子レンジで温めて出し、飲み物をつけて1,680円のセットで販売していることやシャトレーゼの200円台から300円台のケーキをセットで1,580円で販売していること、飲み物単品では頼めず、バカ高いセットを頼まなければならないことです。

そのため、ぼったくりと言われてますが、営業中は外に値段が明示されたメニューが出され、うっかり店内に入っても、メニューを見て高いと思ったら、注文しないで店を出ればいい。

ここは法的には問題にならないでしょうし、ぼったくりは言い過ぎです。

また、冷凍食品を温めて出している喫茶店はよくあります。ずいぶん前のことですが、取材の前だったか、後だったか、編集者と「飯を食べよう」ということになり、。「この近くに、カレーが美味しい喫茶店がある」というので、その店に行きました。

私の席から、小さな厨房がよく見え、手元までは見えないので確信はないながら、体の動きから、レトルトのカレーを小さな鍋で温めていたと思われます。

実際美味かったので、文句はないのですが、「店主が長年模索して編み出したカレー粉と、門外不出の隠し味をブレンドして、朝早くから煮込んだカレー」と思い込めた方が一層美味いですから、「客にレトルトだと察知されるなよ」とは思いました。

手元が見られないようにしていたようでもあって、そこに配慮はあり、店としてはカレーを売りにしていたわけではないので、カレーの評判が高まるのは痛し痒しだったかも。

「玩主一高 嵐翠珈琲」では、チンという電子レンジの音が店内に響き渡り、スパゲッティは冷凍時の四角い状態のまま出てくることが指摘されていて、あまりに配慮がないとは思いますが、喫茶店で出しているレトルト食品や冷凍食品は業務用でしょうから、メーカーも納得し、レトルトや冷凍であれば。何年も冷凍庫の奥に眠ってない限り、味や衛生面でも問題はないでしょう。

✴︎Googleストリートビューより

 

 

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