戒厳令に怒りながら李在明に同調できない層—尹錫悦大統領の真意はあと数日でわかるかもしれないし、わからないかもしれないし-(松沢呉一)
慌ただしくも長いシリアと韓国の1日
取り上げようと思いつつ、韓国があんなことになってしまったため、取り上げる間がないまま、反アサド派がダマスカスを制圧し、シリアではお祭り騒ぎになってます。
一週間ほど前に、バッシャール・アサドは支援を求めてロシアを訪れてましたが、んなことを言われても、こんな時に支援する余裕がロシアにあるはずもなく、支援した体裁を整えるため、弾除けにしかならない北朝鮮兵をロシア兵に偽装して送り込むくらいしかできない。最新兵器を扱うわけではないシリアの方が北朝鮮兵は活躍できるかも。最後には全員殺されますが、ロシアにいても同じこと。
なんて思いつつ、支援できるはずがないことはアサドは百も承知、仮にロシアが支援しても焼石に水の段階で国を開けてロシアまで行った目的は自分だけは助かろうとして国外逃亡の算段をつけるためじゃないかと睨んでました。実際のところはわからんですが、たぶんこの読みは当たっていたと思います。
これに限らず、ロシアにとっては悪材料が整ってきていますが、それぞれ展開が早すぎて、取り上げている暇がないわ。風邪ひいてるしよ。
では、韓国。尹錫悦大統領が国民に謝罪し、今後のことは党に委ねると発表したことで、国民の力は弾劾訴追案に反対することに統一。つまり、みすみす共に民主党に政権を譲り渡すより、自分らで政権を維持して、尹錫悦の処遇も決定した方がいいという判断。これで弾劾訴追案は否決されました。これが昨日のまとめ。
この一連の騒動で、きばるんが大活躍です。以下は、投票が行われている時の外の様子です。今回はリアルタイムでは観ておらず、風邪でもバイトをこなしたあと、家に帰ってから時間差で観ました。
同接2万人を突破。VTuber並みの人気です。
いくつか補足します。
「なんで龍角散?」との疑問がリスナーから出てますが、韓国では龍角散の評価が高いのです。K-POPアイドルでも重宝しているのがいそうです。
中継しているメディアは他にいないと何度か言ってますが、この「メディア」はマスメディアのことで、私の見た範囲で、おそらく韓国のネットニュースがずっと中継してましたし、もっと早い時間帯に、トッポギ侍がこの場から中継してました。
韓国系YouTuberの反応
ピークで10万人とのことですが(15万人という数字もあります)、朴槿恵弾劾反対デモは100万人でしたから、今回はさほど多くないとの評価も出てます。今回は尹大統領弾劾に反対する側はほとんど表に出ないですから、デモの規模を見る限り、今回のテーマは盛り上がりきってないようにも見えます。
光州事件の記憶があるので、さすがに今回は「やめておこう」になった人たちもいるでしょうし、「尹錫悦は腹立たしいけれど。かと言って、共に民主党の李在明に力を貸すわけにはいかない」と考えたのも多かったはずです。
「何があったとしても、何を目的にしても、戒厳令は悪手」ではあれ、その原因を作り出したのは、自身の有罪が確定しないための工作を党の力で実行してきた李在明であることは明らかであり、多数の容疑で起訴されている「犯罪者」がこれに乗じて正義の味方ぶってんじゃねえよと。
そこまではっきりとは言ってないですが、国会の中からのテレビ中継を観ながらの配信をしていた李ファミリーも「尹大統領には期待していたのに裏切られた。でも、李在明は支持できない」と言ってました(とくにりーくんとかあちゃん)。
(残り 1319文字/全文: 2837文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ