松沢呉一のビバノン・ライフ

中居正広9千万円騒動は気になるけれど、なおわからんことだらけ—テレビ局が消える時代-(松沢呉一)

これも昨年書いてあったのですが、中に書いているように、その段階ではこのテーマは踏み込みにくく、前半を書いたまま放置してました。正月スペシャルとして、後半を聴き加えましたが、とくに目新しいことは書いてません。

前半では渡邉渚と特定するのはためらわれて、「元女子アナ」になってます。

 

 

中居正広9千万円騒動

 

vivanon_sentence次回の告知と吉田豪と後藤まりこについて—「月刊 生き違い新聞」第3号で話したこと・話さなかったこと[3]」の続きを書いたのですが、そもそも吉田豪後藤まりこの件ははっきりしていないことが多いので、すでに確定している別の事例を元にまとめました。でも、読み直したら、あんまり面白くなかったので、ボツにしました。

では、今回は、日曜日にあった「月刊 生き違い新聞」第4号で「話したこと・話さなかったこと」です。予定していたエロ雑誌の話は全然しませんでした。ちょっとは現物を持って行っていたのですが、無駄に終わりました。

予定していなかった「中居正広9千万円事件」については触れました。ほとんど確定していても、なお中居正広はコメントしておらず、私が事実関係を確認できるようなものでもないので。中居正広が9千万円の「解決金」とやらを支払った相手を「元女子アナ」としておきます。

「月刊 生き違い新聞」で言ったように、「解決金」「示談金」「和解金」では、その件について、以降、互いに「口外してはならない」旨の一文が合意書の類に盛り込まれているものです。さもないと、合意の上で金を払ってもなお公然と批判され続けることになってしまい、場合によってはバトルになります。この件でもそのはずですから、解決した話を蒸し返すのはどうなんかって疑問があります。

口外禁止条項は、和解内容や金額について口外してはならないとしていることもあれば、その件一切について口外してはならないとしていることまで幅があって、この件ではどういう内容なのかわからないので、結論は出せないですが、元女子アナはもっぱら自身が受けたダメージについて語っていて、PTSDで苦しみ、療養していたことまで触れてはならないなんてことはなく、これだけを読んで、誰と何があったのかを知ることは不可能です。

それを中居正広につなげたのは、別のところから出たと思われる情報が答え合わせをしたためです。和解が成立する前に、元女子アナは知人、友人に相談していたでしょう。そこから情報が拡散することまでは彼女も止めようがなく、止める義務もない。また、その場をセッティングしたとされる上司やテレビ局の責任追及には合意書の取り決めは及ばないでしょう。

そうではあっても、「通常は考えにくい9千万円もの金を得たのだから、自分からは一切触れないようにした方がよかったのに」との思いが生じます。数百万円だったらともかく。こすい方法ではありますが、自分は黙っていて、知り合いに依頼して拡散してもらえばよかったとも思います。

あるいは彼女は9千万円を返却して、最初からやり直す、つまり名前を明示して告発し直した方がいいのではないかとも思うのですが、この場合は9千万円を返却するだけでは済まず、違約金をも支払う必要が生じそうです。

この辺が私はよくわからず。確定しているのは両者の間に何らかのトラブルがあって、中居正広が9千万円を払ったことだけ。和解内容がはっきりするまでは踏み込みにくいです。

 

 

テレビの仕事をやっていた私も、六本木ヒルズのことはわかんねえ

 

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私も10年以上テレビに関わっていたので、少しはテレビの内部事情を知っていますが、私が知っているのはもっぱら深夜枠であり、ゴールデンとは別世界です。伝聞でさえ、接待だの、上納だのといった話を聞くことはありませんでした。その実感からすると、局のプロデューサーが人気タレントに女子アナを献上するなんてことは俄かには信じられません。

しかし、テレビ局は巨大であり、あっちは誰もが知る一部上場企業が何社もスポンサーになっており、こっちはスポット広告だけですから、営業の姿勢も180度違います。六本木ヒルズと高円寺の木造モルタルのアパートくらい違います。高円寺に住んでいたとしても、六本木に行ったことくらいはあるので、実感はないまま、「そういういこともあるのかも」と想像することはできます。

つまりはテレビ製作に関与したことのない人と同じであって、「そういうこともあるのかもな」と思いつつも、はっきりしたことはわかりません。

 

 

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