『新大久保物語』 ここまで来たか、ご当地映画ブーム!イケメンK-POPアイドルが「やるじょ、ぜったい!」 (柳下毅一郎) -2,772文字-
『新大久保物語』
監督 藤原健一
脚本 藤原健一、高橋祐太
撮影今井哲郎
出演 MYNAME(セヨン、インス、ジュンQ、コヌ、チェジン)、藤本泉、国生さゆり、IZAM、六平直政
『タイガーマスク』を見に行った新宿ミラノでこの映画の予告編を見たときは戦慄した。とどまるところを知らぬご当地映画のブーム、ついにここまで来たのか! 新宿区歌舞伎町ゴールデン街在住のオレとしては見に行かないわけにはいかないだろう! というわけで出かけたよ。ご当地新宿ミラノへ! てっきり自分一人で鑑賞とかそういう状況を想像していたので、開場前に女性ばかり十人以上並んでいるのを見て驚愕した。主演のK-POPアイドルMYNAMEって結構人気だったりするんだろうか? まあ新宿ミラノ2が広すぎて、場内はガラガラだったわけですが。
さて舞台は東京のコリアンタウン新大久保。韓流おばさんとイケメンコリアンの集う街。歌子(藤本泉)は子役専門の芸能プロダクションに勤めながらも飽き足りないものを感じているOL××歳。歌子はかつて歌手を目指しながらも喉を悪くしてその道を諦めた過去があった。親友に誘われて行った韓国料理屋マッコリ村で親友の恋人というイケメンの韓国人を紹介される。彼ジュンQはかつて韓国でデビュー寸前まで行った三人組ダンスユニットNOBODYSのメンバーだった。中心メンバーだったセヨンが脱退したためグループは空中分解、残された二人はデビューめざして流れ流れて新大久保へ。ところがちょうどそのときたまたま、セヨンは腰痛治療のため新大久保を訪れていた。新大久保にはどんな腰痛でも治す名医がいるという噂をインターネットで見つけたからである。すごいぞ新大久保。だがその接骨院を訪れてみると、肝心の名医は不在で息子(カンニング竹山)しかいなかったのだ。とぼとぼと医院を出ると、そこでNOBODYSの二人とばったり。
実は歌子はNOBODYSを自分のプロダクションから売り出そうと、社長(国生さゆり)に売り込みをかねた合コンを持ちかけていたところだったのだ(色仕掛けか!?)。国生社長はついでに韓流おばさん向けの新大久保ガイドをしている二人組(インスとチェジン)を引っかけ、みんなでマッコリ村へくりだす。五人のあいだが険悪になったところに、たまたまあらわれたチンピラが「韓国野郎、生意気なんだよ」と因縁をつけてくる。五人の華麗なコンビネーションでチンピラを叩きのめすうち、なぜかそこには一体感が生まれていた! スローな立ち回りのさなか、歌子は五人がそろってステージで歌い踊る姿を幻視する。これだ!(どうでもいいのだが、ここ銭湯の隣なので、銭湯の前で歌って踊るというたいへんシュールなことに)
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