『劇場版 きのう何食べた?』 この世にこれほどひどい副音声映画があろうとは・・・。しかし西島秀俊くんと内野聖陽のイチャイチャが見られてみなさん満足でした!
→公式サイトより
『劇場版 きのう何食べた?』
監督 中江和仁
原作 よしながふみ
脚本 安達奈緒子
撮影 柴崎幸三
音楽 澤田かおり
主題歌 スピッツ
出演 西島秀俊、内野聖陽、山本耕史、磯村勇斗、マキタスポーツ、松村北斗、田中美佐子、田山涼成、梶芽衣子
原作はよしながふみの同名コミック。弁護士と美容師という中年ゲイカップルのまったりした日常を、日々の料理レシピを折り込みつつ軽妙に語るゲイ料理漫画が西島秀俊と内野聖陽という原作者も読者もびっくりの適役を得てテレビドラマ化。そしてドラマの好評を得て満を持して映画化という流れである。これ、映画館の観客の99%までが西島/内野カップルに萌え狂ったファンであろうから、映画もそんなファンの気持ちを逆なでしないファンムービーとして作られていれば十分だし、誰もそれ以上のものは求めていないだろう。テレビドラマ四本分が映画館のスクリーンに映し出されれば、みなそれで満足なのである。その意味では本作においては作り手の意図は120%達成されており、その点に疑いの余地はない。それを認めた上で言うのだが、映画がはじまって五分で退出したくなった。およそこの世にこれほどひどい副音声映画があろうとは。
冒頭、シロさんこと筧史朗(西島秀俊)とケンジこと矢吹賢二(内野聖陽)は京都に旅行に出かける。シロさんは「昼飯を食う場所は決めてるから」とケンジをうどん屋につれてゆく。
「やだ。ここってテレビで見て行きたいって言ってたところでしょ? 覚えててくれたの?」
「俺も食べたいって思ったからさ」
「うどんうまーい! 鶏肉美味しー! 鶏肉入りカレーうどんの鶏が本当にやわらか!」
「さすが関西だなー」
まさにすべての行為にナレーションがつくスーパー副音声映画! 行動にとどまらず、当然ながら二人の内面もナレーションで語られる。テレビドラマなんだからそれでいいのだし、観客もそういうものを求めているのだろうが、これに二時間付き合うのはそうとう辛いですよ?
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