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【名門復活へ。愛知大学に青年監督が誕生】高森啓之新監督にお話を伺いました。

この春に誕生した新監督の1人、愛知大の高森啓之監督にインタビューをいたしました。
まだ20代というフレッシュさで、大学野球界では珍しい若手の監督です。
愛知大学は11度のリーグ優勝を誇る名門ですが、優勝は2013年春を最後に遠ざかり、近年は2部にいることも増えています。そんな中での監督就任ということで、その経緯やどんな野球を目指すか、お話を伺いました。

※高森啓之監督プロフィール

1995年生まれ。選手時代のポジションは捕手で、富山第一高校では甲子園に出場。ベスト8進出を果たす。その後愛知大学へ進学。1年生からリーグ戦でマスクを被り、2015年(大学2年生時)には明治神宮大会に出場。4年間愛知大の正捕手として活躍。卒業後、社会人のミキハウスへ進み、2021年、2022年に都市対抗野球出場。2022年のENEOS戦では代打でヒットを放つ。2022年に現役を引退し、2023年から母校の愛知大のコーチに就任。この春から監督となりました。

試合の戦況を見つめる高森監督。

〇開幕カードを振り返って

「監督をするのが初めて。分からないことが多いのは当然ですが、自分も成長しなきゃいけないな、とつくづく感じました。1点差で敗れた試合は至学館大の高橋監督との差も感じました」。

どこに差を感じたか。「継投、選手起用。采配も含めて色々な部分で改善点はあったと思います。サヨナラの場面(9回裏、同点で1死2塁)も土岐選手を歩かせてもいいとは伝えていたが・・・。ベンチがはっきりとしてあげるべきだったかな、と思いました」。

1勝1敗という結果については「いや悔しいですね。コーチの中村(胤哉/豊川出身)とも悔しいと話をしていました。選手も去年のチームと比べるとそういう悔しさを見せる選手が多い。去年までは勝っても負けても一緒という感じがあったので」。

「もうちょっと選手の状態をしっかりと見て把握して起用していくのが改善点かな、と思いました」と反省を口にします。

〇監督就任の経緯

監督になった経緯を伺いました。「ミキハウスで選手を引退しようと考えていた時に前総監督の櫻井(智章)から連絡がきて。近況報告をしていた時に多分今年で上がる(引退)ことになると伝えたら、じゃあコーチとしてどうだという話になって。いずれは監督にという話もいただきつつ、コーチとして2023年に愛知大学へ戻ってきました」。

「そしてコーチとして昨年過ごしていたのですが、今度は大学側の方針が変わり、大学職員は運動部等の監督をしないことになりました。運動部の指導は外部指導者が行うと。これがきっかけとなり、大学職員で前監督の八田(剛)も20年やってきたのでバトンタッチを、ということで、大学職員ではない私が監督にという話となりました」。

コーチ1年で監督というのはさすがに想定していなかったそうで「もうちょっとコーチとしてやりたかった気持ちもありました(苦笑)」とのこと。

若い監督として不安はなかったか聞くと「それはなかったです。選手との距離が近い分、色々選手ともコミュニケーションを取りながら、今はお兄ちゃんの感覚で接しています。ただもちろん指導するときには壁はあるよ、とメリハリをつけながら。年齢の近さを活かして新しいことにも取り組んでいきたい」。

〇選手時代の愛知大と今の愛知大の違い

大学時代はほとんど1部。逆に卒業後の愛知大はほとんど2部。昨年戻った時に最も感じた違いは「意識の差。もうそれしかないですね」と高森監督。

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