緩いボールを投げる感覚で150㌔を投げる1年生の怪物出現 沖縄尚学・比嘉公也監督(前編)
秋の学生野球日本一を決める「第55回記念 明治神宮野球大会」は、今週20日に東京の明治神宮野球場で開幕する。
高校の部に九州地区代表として出場するのは、秋の九州大会を制した沖縄尚学(2年ぶり4回目)。北信越代表・敦賀気比(福井)との初戦が21日迫る中、2013年以来の「秋の頂点」を目指す比嘉公也監督を直撃。
九州大会を振り返ってもらいつつ、神宮、そして春のセンバツへの展望を聞いた。
※インタビューは九州大会時のコメントで構成しています。
緩いボールを投げるで150㌔の真っすぐを投げる1年生
━━秋は2年ぶりの九州チャンピオンに返り咲きました。
「今大会は一気に行きたい時に試合が流れたり、そういう難しい状況もありましたけど、それはどのチームも同じ条件なので。ただ、やっぱり準々決勝のあの状況(8回二死に中断。継続試合に)はすごく厳しい状況でしたが、生徒はよく頑張ってくれたのではないかなと思います」
━━継続試合は初めてですか?
「私自身はエナジックスポーツと戦った2年前の夏に一度経験しています。その経験も踏まえて、2日目の朝のミーティングで『昨日以上にみんなで集中していこう』という話をしました。特別な何かをしたわけではなく、沖縄で試合をしている時と一緒で自分たちの野球をすることだけを考えました」
━━1年生エースの末吉良丞投手が秋の沖縄大会で最速150㌔を投げ、大きな注目を集めた中でのマウンドとなりました。
「変に緊張しているなと思って見ていました。嫌な感じは常にしていましたが、結果的に粘ってくれたのかなと思います。どうしても150キロを出したということで騒がれますけど、九州大会は140㌔台前半ぐらいでしたよね。本来はそれぐらいだと思います。ただ、佐賀北との初戦は、バントの構えで揺さぶってくるチームに投げたことがなかったので、非常に投げにくそうにはしていましたね。やっぱり振ってくるチームの方が、彼は投げやすいのかなと思います」
━━九州大会は4試合すべてに登板し、初戦から準決勝まで3試合に先発しました。試合を重ねるごとに修正できていた部分はありますか?
「彼には『緩いボールを投げる感覚をそのままを真っすぐに生かしなさい』と言ってきました。そのあたりが良くなってきたのではないでしょうか」