勝敗を越えた「4つの勝ち」で沖縄県に完勝したい! 熊本県選抜チームに迫る②
今週末の11月23、24日に沖縄県選抜との交流試合に臨む熊本県選抜チーム。今回はチームを率いる森田崇智監督(文徳)にマイクを向け、県の高校野球界を挙げた一大プロジェクトに賭ける思いを語ってもらった。また、この活動を通じて選手たちに伝えたいメッセージとは?
※Special Thanks:熊本県高校野球連盟
決して野球の力だけで選んでいるわけではない
━━率直に森田監督自身はこのピックアップチーム(県選抜)の活動をどう考えていらっしゃいますか?
「素晴らしいことだと思います。去年は東海大熊本星翔の野仲義高監督に選手を送り出す側でしたが、指導者も選手も、それぞれが持っている技術を出し合って交流していく良い機会です。野球の発展を考えたら、こうした取り組みはどんどんやっていくべきではないでしょうか。本当に良いことだと思います」
━━選手の選考基準を教えてください。
「選考は地域性も絡めながらやっています。県全体のレベルアップを考えれば、地域性は本当に大事なポイントです。したがって、野球の力だけで選んでいるわけではないのです。メンバーは私ひとりで決めたわけではありませんが、私自身は“声が出る子”を基準にしました。ただ、実際に集まっている子供たちはさすがに選考会を勝ち抜いているだけあって、みんな良い選手ばかりですよ」
県を代表した者が果たすべき「使命」
━━主将には九州学院の山口真和選手を指名しました。
「彼については、間違いなくこの世代の熊本県を引っ張っていくべき存在だと思っています。中学時代は熊本東シニアの主将として全国の舞台を経験していますし、日本代表でもプレー経験があります。“主将は山口しかいない”と迷うことなく決めました。本番までにメンバーの練習会は3度しかありませんが、山口はこちらが指示する前に選手を集めてミーティングをやってくれています」
━━牽制やサインプレーなどのマッチングはどうしているのですか?
「少なくとも二塁牽制のサインに関しては、主将の山口に『お前に任せるから』と言ってやらせています。彼が九州学院のサインを用いてやっているのか、それとも新しく自分でサインを作ってきたのかはわかりません。ただ、仮に自チームのサインを持ってきているとしても、そこは彼らの判断ということなので、それはそれでいいと思っています」
━━今年はどういう目標を立てて沖縄県選抜との交流試合に臨みますか?
「選手たちには『4つの勝ちを掴もう』と言っています。まずは試合に勝つこと。ふたつ目は県の選抜選手としての立ち振る舞いで沖縄県に勝つ。3つ目は短い練習時間の中で絆を深め、チームワークで勝つ。最後に僕が一番大事にしている元気で勝つ。野球は元気がないと、声が出ないと絶対にダメですからね」
━━昨年の沖縄県は3地区ごとの選抜チームで臨み、熊本県選抜に2敗1引き分けに終わったことから、今年は本気の「オール沖縄」で臨むと聞いています。
「昨年0勝に終わったことで沖縄県もかなり気合いが入っているようです。そのうえ、先日の九州大会では沖縄のチームが優勝、準優勝ですからね。沖縄尚学は明治神宮大会で不在のようですが、それだけレベルの高い県の選抜チームと試合ができるわけですから、モチベーションしかありませんよね。とにかく本気の沖縄県選抜に対して、チームで掲げた4つの勝ちを収める“完勝”で帰ってきたいですね」
━━勝ち方にもこだわる、ということですか?
「先ほども申し上げたように、選手たちには県代表としての立ち振る舞いに気を付け、リーダーシップを自覚してほしいと思います。単にホームランを打って勝ったとか、140㌔を投げてバッタバッタ三振を取ったとか、そういうことではないのです。『県を代表するレベルの高い選手たちが、チームワークを持って戦ったから勝てたんだ』という結末を迎えたいですよね。野球はみんなでやるスポーツなので、その原点をあらためて感じてくれたらな、と思います」
━━森田監督はこの活動を通じて22校から集まった24人の選手に何を一番伝えたいですか?
「選手たちが自チームに帰り『選抜に集まってきている選手たちの意識はこうだったよ』と話をしてくれることが、熊本県野球界の発展につながると信じています。まわりに対して、どれだけの好影響を与えられるか。そこは県選抜に名を連ねた者として、果たすべき使命と言っていいのではないでしょうか」
(つづく)
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