LAKE-B A GO-GO

シーズン最高潮。B1昇格へ運命の戦い。

PREVIEW

日本生命B2 PLAYOFFS

SEMI FINALS 2023-24

滋賀レイクス vs 山形ワイヴァンズ

青森ワッツとの激闘を制し「日本生命B2 PLAYOFFS 2023-24」セミファイナルへ進出した滋賀レイクス。このラウンドで山形ワイヴァンズに2戦先勝すれば目標の「1年でのB1復帰」となる。まさに運命の一戦。その見どころを紹介する。B1ライセンスのない山形ワイヴァンズがファイナルへ進出した場合、滋賀レイクスは3位決定戦でのB1昇格をめざすことになる。

レギューラーシーズンは4勝0敗

 

 滋賀レイクスと山形ワイヴァンズはレギュラーシーズンで4回対戦し、レイクスが4勝している。12月2日・3日のホームゲームではいずれも山形ワイヴァンズのオフェンスを70点台に抑えて連勝(GAME1:85-75、GAME2:88-74)。2月17日・18日のアウェイゲームではレイクスらしいテンポの速いバスケットを展開し、ハイスコアゲームを制した(GAME1:92-76、GAME2:107-92)。

 この4ゲームの共通点は、レイクスがインサイドでアドバンテージを作り、相手のストロングポイントである3Pシュートを抑えたこと。セミファイナルに向けた5月8日の囲み取材で、ダミー・ゴメスHCは山形戦のポイントを次のように述べている。

「フィジカル的には自分たちにアドバンテージがあると思っています。そこをしっかりと支配することが大事だと思います。(山形は)ディフェンスリバウンドを苦手としていますので、自分たちはオフェンスリバウンドにどんどん入っていかないといけないと思います。山形はブロック(ショット)もリーグで下から2番目ですので、データから見てもしっかりフィジカルで支配することが大事です。(クオーターファイナルの)青森とのGAME3は19本のオフェンスリバウンドを取れていますので、山形戦でもそこをしっかりとやっていくことが大切です。また、山形はリーグで最も3Pシュートを打つチームです。あとはジェームズ・ベル選手の1on1が基本になると思います。ですので、まずは山形の3Pシュート成功率を下げることが一つ、あとはベル選手のパーセントを抑えること、そして自分たちがペイントをフィジカルで支配すること。これらが山形戦のキーになると思っています」

古巣戦に挑む田原隆徳の思い

 注目選手としては田原隆徳と眞庭城聖の2人を挙げておきたい。昨シーズンまで山形でプレーした2人にとって古巣戦は特別なもの。しかもB1昇格をかけて戦うシチュエーションに燃えないわけはない。激しいディフェンスがウリの田原はこの運命的な一戦についてこう話す。

「(シーズン前には)まさか山形とプレーオフで、しかもB1昇格のかかるセミファイナルで戦うとは思ってもいませんでした。昨シーズンは山形でプレーしていましたのでチームに対する思いは強いですし、自分たちの本気をぶつけたいです。(クオーターファイナルの)青森とのGAME1で負けたことが自分たちを強くしてくれたと思いますし、それを活かして山形戦は第1戦からパワフルに行きたいと思います」

 田原が考える山形の攻略ポイントはなんだろうか。

「ベル選手との1対1、3Pシュートはポイントになると思います。(青森の)ジョーダン・ハミルトン選手と同じように山形はベル選手が起点になると思いますし、3Pシュートの試投数も一番多いので、そこの成功率を下げること。そして自分たちがペイント内を支配することで自ずと勝利は近づくと思っています」

 

眞庭城聖のストーリーに花を添える

 山形で2023-24シーズンにキャプテンを務めた眞庭城聖にとってこのセミファイナルは、ある意味で田原よりも強い思いがある。まずこの運命的な一戦について率直な感想をこう述べる。

「ほんと、ストーリーとしてはすごいものがあるなと思って…。最初に思ったのは山形すごいなと。僕は2年在籍してチームのいろんな側面を知っています。話せる範囲で言えば、環境面が恵まれていたわけではないですし、冬も寒い、チームがうまくいかないことの方が多かった。そういう中でセミファイナルまで来るというところは素直にすごいなと思いました。シーズン終盤に調子は上がってきていましたし、対戦する身としては脅威ですね。3Pシュートのアテンプト(試投数)がかなり多いという点では、当たった時の怖さを感じます。西地区のライバルだった福岡(ライジングゼファー福岡)に勝ってきていることを考えても、セミファイナルもタフな戦いになるなと思っています」

 山形での昨シーズン、眞庭はレギュラーシーズン51試合に出場し、平均16分31秒のプレーイングタイムを勝ち取っていた。だが、レイクスでの平均出場タイムは約4分。プレーオフは今のところロスター外である。プレーイングタイムが減ることを承知でレイクスにやってきた眞庭にとって、山形戦は自分の選択が正しかったことを証明する戦いでもある。

「それは間違いないです。ただ、これだけははっきりと言えます。レイクスの方が間違いなくいいチームだと思います。西地区優勝を成し遂げたことは自信を持っていいと思いますし、それをおごらず、純粋な自信にすることが大事です。負けるわけがないとか、負けることは許されないという感じで。それくらいの緊張感をもって戦えば、絶対に勝つと思っています。(個人として)勝つことが山形への恩返しになることはないんですけど、山形から出た身としては勝つことが自分の最大の命題だと思います。でも、このストーリーは、僕とかTEE(田原)とかは、絶対に楽しむべきだと思います。B1昇格をかけた舞台で古巣とやれる経験は稀だと思いますし、本当に楽しみです」

 B1昇格請負人として山形からレイクスにやってきた2人。まるで映画のようなストーリーで彼らはどんな1シーンを見せてくれるのだろうか。楽しみしかない。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ