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【コラム】長野市少年野球大会がこの夏、「2部制」を初採用

夏の甲子園大会が、酷暑の中で行われている。「クーリングタイム」など、さまざまな暑さ対策が取られているが、熱中症でプレーに支障をきたす選手が後を絶たない。甲子園大会に関わらず、昼前後の暑い盛りを避け、比較的涼しい朝と夕方に試合を行う「2部制」への注目が高まっている。

そうした折、今年56回目を迎えた伝統の長野市少年野球大会を主催する、長野市少年野球連盟は初めて2部制を採用した。

同大会は、夏休み期間中に市内すべての小学生チームが参加して行うトーナメント戦で、最大の大会と言っていい。100チーム超が参加する時期もあったが、少年野球人口の減少とともに参加チームも減り、今年は昨年と同じ38チームが出場。長野県営球場を会場に7月29日から8月7日まで10日間の日程で37試合を行った。

試合は6回戦または1時間15分(決勝のみ1時間30分)で進行。午前8時30分に第1試合を始め、15分の入れ替えを含め、午前11時15分までに2試合を消化する。

その後、お昼前後の一番暑い時間帯は試合を行わず、第3試合は午後4時に再開。午後6時45分までに2試合、1日計4試合を終える日程で行ってきた。

2部制の採用に際しては、共催している長野市から「ここ1、2年前から検討してほしいと要望があった」と同連盟の松田博見理事長。全国的に暑い時間帯での競技を避ける、スポーツ庁からの通達を受けてのものだ。

同連盟ではこれまでも入場行進で選手への負担が減るように内容を変えるなど、暑さ対策を行ってきた。しかし2部制の採用では、1日の拘束時間が長くなったり、1日で消化できる試合数が減って大会期間が伸びたり、運営側の負担が増えるのがネックだった。

そこで同じチーム数が参加した昨年より大会日程を2日増やし、原則1日6試合だったのを4試合に減らした。今年は午後6時にはナイター照明を点灯させた。

どうしても昼間の「中抜け」の時間帯ができてしまい、「役員には、近い人は一度自宅に戻ったり、球場でそのまま待機したりしてもらった」と松田理事長。

準決勝と決勝の3試合は最終日にまとめて行い、午前の準決勝を勝ち上がった2チームは、球場周辺の涼しいところで日中を過ごし、午後4時からの決勝戦に臨んだ。

松田理事長は「見ている限りでは、大会を通じて足をつるような選手を見かけなかった」という。降雨による日程変更もなく、予定通りに大会を終了した。高齢化が進む大会役員の負担は増えるが、炎天下に審判員を務める役員の健康面ではプラスでもあった。

松田理事長は「参加チームを含めアンケートを取り、2部制がどうだったのか検証し、来年につなげたい」と、慎重に見極める。

また、同大会には中学生の部もあったが、会場の長野オリンピックスタジアム(全面人工芝)の暑さが厳しいため、同連盟の管轄から外し、開催時期を変えることにした。

↓ 決勝戦は涼しめだったため、開始時間を30分ほど繰り上げ。午後5時からの閉会式となった

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