各種性感染症の症状と対策-性病座談会・中編- [ビバノン循環湯 47]松沢呉一 -3,294文字-
「性病座談会」前編の続きです。
性器ヘルペス
—他の方々に興味津々のエルメス女王様ですが、ご自身のお話を。
女王「私はヘルペスだったんです。めっちゃくちゃ痛いんですよ。痒いのと痛いのとどっちがイヤでしょうね(笑)」
—どっちも辛いですけど、世間体は毛ジラミよりヘルペスの方がいいんじゃないですか。高級感があります。
女王「高級感があっても我慢できないくらい痛いんですよ。口内炎ができると痛いですよね。あれに醤油が滲みるみたいな痛さがアソコに来るみたいな感じ」
—どうしたんですか、今日は。“アソコ”なんて言っちゃって、体調でも悪いんですか?
女王「ああ、ちょっとよそ行きでした。だから、コーマンが痛いんですよ(笑)。痛くて思わずしゃがんじゃうんだけど、しゃがむとまた痛いし(笑)。で、見ると、コーマンに水泡ができている。10個くらい。
—ヘルペスは性行為じゃなくても感染するわけですけど、感染源は?
女王「一緒に住んでいた当時の彼氏です。風邪をひいて40度の熱があって、次の日に下がったんだけど、どうしてもやりたくて、体調が悪いままセックスをしたんですよ。その次の日から痛くて痛くて。激しくやりすぎたから傷ができたと思っていて、一週間ほどほっといたら、リンパ腺が腫れてきた。中にパチンコ玉が入っているみたいになっちゃって、病院に行って症状を説明したら“クラミジアかもしれない”と言われて、台に寝かされて、バッと足開いて、コーマン見た瞬間に“あー、なしなし、クラミジアなし”って看護婦に言って、“ヘルペスでーす”って大きい声で。コーマン出しながら“そんな大きな声で言うなよ。外まで聞こえるじゃん”て思ってた(笑)」
—領地の民衆に知られたら女王様の立場がない。
女王「そうですよ。でも、先生が“この魔法の薬を塗ると痛くなくなるんだよ”と言って塗った途端に痛みがサッとなくなった。それを塗ると、歩いてもトイレに行っても大丈夫」
—女王様に魔法の薬を使う医者。メルヘン。それを塗らないと、トイレにい行くのもひと苦労なわけですね。
女王「しゃがむのも痛い、オシッコをするのも痛い」
—ヘルペスは再発することがあるんですよね。
女王「そうです。一度罹ると、一生、ヘルペスを背負って生きていかなければならないんです。体力が落ちると発症するし、その時にセックスをすると、感染させる可能性もある」
—彼氏は大丈夫でした?
女王「彼氏は発症しないんですよ、ちっとも。保菌しているだけ。病院に行って2週間くらいしてから、まだちょっと痛みはあったんだけど、我慢できなくて、もういいだろうと思って彼氏に“一緒に地獄に落ちよう”って言ってセックスして(笑)、フェラチオしたら、今度は口の中にできちゃって(爆笑)。結局、完治するまで2カ月かかったんですよ」
通常ヘルペスは発症している状態じゃないと他の人に感染させないのだが、発症はしていないのに唾液等にウィルムが混じっていることがあり、この場合は当然感染する。
—この間、トリコモナスの薬を持っていましたよね。
女王「オリモノが多くなって、それが臭いので、またヘルペスかと思って病院に行ったら、パッと見て“トリコモナスかカンジダですね”って言われて、トリコマイシンという薬をもらった。そんな露骨な名前の薬、うちにも置いておけないじゃないですか(笑)」
—トリコマイシンは中に入れる?
女王「そうそう。ハイCレモンくらいでかい錠剤で、それをコーマンの奥に入れる。動いたときに、溶けた液がズルズルっと降りてくるんですよ。それがすんごい滲みる。友達としゃべっていて、“ああ、そうだよね”というとジューって出てきて、“だよね、アッハッハッ”、ジュー(笑)。切ないです。でも、どうもヘンだと思って別の病院に行ったら、何ともなかった」
—今度こそヤリすぎ。
女王「ホントにそうだったみたい。ヤリすぎの冤罪でした。ヤリすぎると、粘膜に傷がついてオリモノが増えるらしい。医者は“きれいなオリモノですよ”って。オリモノにきれい、汚いがあるのか(笑)」
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